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『失注理由:コストネック』は『失注理由:よく分からない』と同義と心得よ
こんにちは。牛と申します。どんなに有能なセールスでも、受注と同じか、ほとんどは受注以上に失注していると思います。
その際、みなさんはSalesforceやその他のSFAにはどんな失注理由を残しているでしょうか?
機能不足?
時期ネック?
コストネック?
このnoteは、その中でもとりわけ失注理由とされることの多いコストネックという答えの無意味さについて書いたものです。
失注理由を残す意味
そもそも失注理由とは、将来インサイドセールスやマーケティングチームが掘り起こしを行う際、どういうアプローチが効果的か判断するために確認するものです。
機能不足での失注なら、新機能リリースに合わせて対象の顧客にメールや架電でアプローチします。定期的に失注した商談の履歴を集め、開発部にフィードバックもするはずです。時期ネックはその理由にもよりますが、例えば「予算策定時期ではない」という意味だったら策定の1ヶ月前にネクストアクション日を切り、そこに合わせてアプローチします。
つまり、失注理由とは将来の受注のために何が必要なのか、いつアプローチすべきなのかを知るための項目なのです。
では、それを踏まえた上で今回のテーマであるコストネックについて考えてみたいと思います。
『失注理由:コストネック』から得られる情報
例えば自社のSFAにコストネックが理由で失注した商談が100商談分あるとします。それらに再度アプローチするとして、皆さんはいつ、どのようにアプローチするでしょうか?
正直、ケースによるとしか言いようがないと思います。コストネックは大幅な値下げやキャンペーンを除いて、こちらからアプローチのタイミングをコントロールできません。かと言って、先方のネックがいつ解消するのかも分かりません。
商談を失注に落とすとき、ネクストアプローチ日も合わせて入力する企業も多いでしょう。コストネックのネクストアプローチ日、入力に困ったことありませんか? とりあえず3ヶ月後に日付を切って、タスクに「状況伺いTEL」なんて入れた人も多いはずです。
そのネクストアプローチ日とタスクに意味があるか?と聞かれれば、全員目を逸らすことでしょう。
コストネックという情報には、未来に繋がる手がかりがまるでないのです。
コストネックでスマホを購入しないのか?
スマホでも良いですし、賃貸でも良いです。どちらもお給料から払うには高額ですが、スマホを持たず、家にも住んでいない人はいないはずです。それらを持たないことによって起こる不都合が大きいからです。
では、ジョンロブの革靴はどうでしょう? ヴィトンのバッグはどうでしょう? どちらも高品質で社会的信用もあり、実用的なのに所有欲も満たせる素晴らしいものですが、持っていない人も多いです。そこには「安く代替できる」だったり「そもそも革靴を必要としない生活」という理由があります。もしかすると、次のボーナスまではお金に余裕がないから、という人もいるかもしれません。
結句何が言いたいかというと、コストネックの裏には「必須ではない」、「"今は"お金がない」、「安い代替品がある」といった本当の理由が存在するのです。
タイトルの「『失注理由:コストネック』は『失注理由:よく分からない』と同義」=本当の理由を聞き出せなかった、に繋がるわけです。
『失注理由:コストネック』を失くすor『提案力不足』に変更する
では、失注の本当の理由を聞き出せるようにするにはどうすれば良いでしょうか。
セールスマネージャーから都度詳細を求めるコメントが飛べば、是正されるかもしれません。ですが一番簡単なのは失注理由からコストネックの選択肢を消してしまうことです。
SFAの入力をメンバーに徹底させるため、入力率を評価制度に組み込む企業があります。やっていこうぜ、と声かけで解決すればそれはそれで素晴らしい組織だと思いますが、強制力を持たせる方が簡潔で確実です。
あるいは『提案力不足』に変更するのもありです。コストネックよりも自責であることが明確なので、フィードバックもしやすく、改善していく方向に持っていきやすくなります。
最後に
私はセールス出身なので、これまで数多くのコストネックによる失注を経験してきました。ですが今振り返ってみると、提案先の担当者が言うコストネックの裏にはもっと別の理由があり、私はそこを聞き出す関係を構築できなかったのだとも思います。
ささやかではありますが、このnoteが誰かの気づきになれば幸いです。