レトロと喫茶を楽しむ、秋の盛岡ひとり旅【Day1】
私は大学生から社会人のはじめまで、
お金が貯まれば国内ひとり旅によく出かけていた。
北は北海道富良野・美瑛から、南は鹿児島原屋久島まで。
人と、予定や行きたいところを合わせる手間がかからず、行こうと思ったらすぐ行ける。それが何よりの良さだと感じていた。就活にウンザリした時は、3日前に青春18きっぷで、近江八幡へフラフラ出かけたりもした。
そんな私が夫と付き合いはじめたのは、ちょうど2020年。付き合ってから結婚の期間と、コロナ禍が丸かぶりで、旅行、さらにはひとり旅をしようと思わなかった期間が5年近く。旅行には行っていたが、夫とふたり旅。
何につけても夫と共有したい!と、やや依存しすぎている自分に少し危機感を覚えたことと、平日に2連休をとれる日程があったことが後押しとなり、2ヶ月前に久方ぶりのひとり旅をすることに決めた。
なんだか、夫との旅行とは違うワクワクがずっと続いていた。
目的地は盛岡
転勤からはじまった宮城県暮らしは、7年ほどになるが、盛岡は出張でも旅行でも行くことがなく、なんとなく近いのに行ったことのない東北エリアだった。
(美術館に行ったついでに、立ち寄ったことはあるけど、お茶したくらいで街並みの記憶はない)
それに加えて、
喫茶店がたくさんあること、
車がなくても中心部で観光できる場所があること、
歴史的な建物が残っていることも盛岡を選んだ理由。
10月末だったので、時期的に、紅葉とかぶるかどうか、というギリギリ冬には入らずいい感じかな?という季節でもある。
1日目
新幹線で盛岡駅まで40分ほど。
10時前に盛岡駅へ着き、フェザン1階に入っていた、さわや書店 フェザン店で普段は読まないエッセイを1冊購入。
駅から少し行くと北上川にぶつかる。
大きな街のなかを大きな川が流れている街が好き。京都しかり、新潟しかり。昨年訪れた富山もよかった。川沿いに散歩道があって、ゆったりした時間が流れているから。
最初の目的地まで、川沿いを歩いた。
朝は1桁の寒さだったが、陽も出てポカポカしてきたので、ウルトラライトダウンを脱ぐ。
最初の目的地「光原社」についた。
素敵な陶器が売られていて、どれも連れて帰りたかったけど我が家の食器棚は満員御礼。夫と相談しないと買えない。
何度も中庭を行ったり来たりして、空気を堪能してきた。
その後はカフェへ移動開始。
宮沢賢治の世界が、あちこちに息づいている。
宮沢、という苗字の同級生のニックネームが「賢治」であったことを思い出す。
道中見つけた、石川啄木が新婚時代を過ごした家。
1軒目のカフェは「自家焙煎珈琲 六月の鹿」
あんこスコーンを食べてみたかったけど、売り切れとのことで、残念。
渋皮煮は、とっっても柔らかくて、あっという間に食べ終えてしまった。
6席のみのお店で、珈琲を淹れる音が聞こえる静かな空気が心地よい。
ここで、朝に購入したエッセイを少し読む。かけてもらったブックカバーは灰色と白色。裏には宮沢賢治の一節が印字されている。
よくある、水色とか黄色とかのカラフルでない色味でお店の雰囲気にも合っていた。
11時ごろに入店した時は先客は3名、待ち時間もなく入れたが、11時半ごろから続々とお客さんが。
空きを連絡するために、電話番号を聞いたりするやりとりを耳にして、長居はしないことにした。
ランチを求めて移動。
ランチは「お野菜食堂 カラコマ」
ヴィーガン料理のお店。
女性ひとり客ばかりで、落ち着いた空間。
店員さんは親切すぎなくてあっさり、サッパリしているのも、いい感じ。
大根と柿?のお漬物のような副菜が美味しかった。
ご飯は雑穀と玄米から選べたので、雑穀を。もっちもち。
お肉は使われていないのに、種類豊富なおかずのおかげで、お腹いっぱいになった。
お腹を空かすために、中心部をプラプラ。
そういえばこのあたりは紺屋町、という地名。
「こうやまち」だと思っていたが「こんやちょう」の読みが正しいみたい。
「盛岡銀行 赤レンガ館」は、2012年まではふつうに銀行として使われていた、というのだから、街の日常に溶け込んでいるのも頷ける。
休館日だったので、赤レンガ館は明日来ることにして、「盛岡城跡公園」へ向かう。
ちなみに、休館日と知らずか、白い重厚なドアを、入れないのか?と手で押し開けようとする人が散見された(2日目の自分への、盛大な前振りであった)。
公園横の川沿いにはベンチが並んでいて、読書する人や、友達とのおしゃべりに夢中になる人、1人でボーッとする人など、各々の時間が流れていた。
公園を一巡りして、意外とあったアップダウンに疲れ(お城なんだから当然か)、「啄木・賢治青春館」へ移動。
カフェも併設されていたが、展示スペースと空間は仕切られていなかったので、ゆっくりまったり、よりも、一息つく、という用途があっていそう。
ひんやりしはじめて来たので、「茶廊 車門」へ。
2階へ案内され、店員さんを呼ぶにはどうしたらいいのか、一瞬心配になる。
しかし、すぐに男性が来てくれて、安心。
黒ごましるこ(お茶付)を注文。
お好みで、と黒蜜がついてきたけど、十分甘かったので、お試しがけ程度しか使わなかった。思ったよりもお腹にたまる。
満たされたので、「もりおか歴史文化館」へ。
同じエリアを行ったり来たりしているので、見慣れてきた。
トイレを借りる名目も含めて、旅の途中、4回は立ち寄ってお世話になった。
歴史資料館的な施設は、安いのに、その地域のことをまるっと知ることができるので、旅先ではよく訪れる。
盛岡もの識り検定にも挑戦。
初級編だったのだが、難しくてほとんど当てずっぽう。なのに、1位にランクインした。挑戦者が少ないのだろう。
衣装を着て、撮影もできるスペース。
ひとり旅だと、こういうことや、顔はめパネルの撮影などができないのが惜しい。
見知らぬ方に撮影をお願いする度胸は、まだない。
歩き疲れてきたので、ホテルへチェックインしに。
盛岡バスセンター内にある「ホテル マザリウム」。
ホテルは建物の3階にあるが、どこから上がれるのか分からず、建物の反対側まで行ってしまった。
ようやくエレベーターを見つけて、エントランスへ。
エレベーターの階数ボタンが、非接触でも押せるタイプのものだったけれど、なんか押した気がしなくて、毎回力強くプッシュ!した。
お部屋は、洗面台に行くまでにいちいちドアや段差を経なくていいのが、とても楽ちんだった。
1時間ばかし休憩して、夕食を、食べに出かける。
18時前。ちょうど仕事を終えて帰宅する人たちと同じくらいの時間。
中華屋さんで水餃子を食べるぞ!と外観やメニューを予習して向かう。
意気揚々と店のスライドドアを開け、カウンターへ着席。メニューを見て、気づく。
あれ、目的のお店じゃない…!
でもお店には私ひとり。間違えました、って席を立つのも失礼か、と思い、ひとまず水餃子を頼んだ。
中国系の女性2人組が入店して、女将さんに「ヴィーガンメニューはあるか?」とgoogle翻訳を使って聞いていた。餃子にもラーメンにも肉は入っている。
英語では伝わらなかったらしい。
カウンターの向こうから出てきて、スマホのマイクに向かって「ヴィーガン料理屋を知っているので、紹介します」と喋り、お店まで案内して出て行った。
カウンターから出る、店から出る、という手間を惜しまず要望に応えようとする、やさしい人だと思った。
水餃子は、生姜がよくきいていたが、皮は薄っぺらかった。
餃子だけいただいて店を後にした。
間違えて入った店を出てすぐ、目的の店を見つけた。
入り口が、面していると思った通りには向いていなかったことが、見つけられなかった要因。
思い込みってこわい。
目的のお店は「餃子の店 白乾児(パイカル)」
水餃子とチャーハンを頼む。
水餃子はスープに浮かんでいて、チャーハンはしっとりめ、にんじんが入っていた。
水餃子を一皿食べた後なのもあり、チャーハンを半分食べ終えたころ、もう厳しいのでは、という思いがよぎったが、食べ切ることができた。
こういうグリーンピースは食べることができる。
お冷の代わりに麦茶、大根のキムチ?をお通しで出してくれたのが嬉しかった。
家で夜の時間を過ごすと、あっという間に22時を過ぎてしまったりするのに、旅先や出張先だと、そろそろ寝るか〜と思っても21時、時には20時だったりすることが多い。
この現象はわたしにだけ起こっているのであろうか。
2日目の記録はこちら
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