点から星に変わるとき
新しいことを知る瞬間は、みなさん好きですか?
振り返ると私はかなり保守的な性格なので、なかなか自分から新しい世界に飛び込むことはしてこなかったのですが、いま学校の先生というお仕事に就き、「学びとは?」という大きな問いとずっとにらめっこしています。
最近その問いに触れるような体験がありました。
最近、当たり前に触れている「お金」というものについて、親戚との何気ない会話の中で話題になることがあり、将来のこともあるので少し勉強してみようと関連書籍を読んでみることにしました。
本だけでは不安なので、銀行の窓口で直接お話を聞くことに。その相談窓口の方が教えるのが本当に上手で、こちらのリアクションを見てサッと展開を組み替えるんですよね。欲しいタイミングで視覚教材の提示。レクチャーと対話の切り替え、説明の構成など、授業をする立場として本当に勉強になりました。
話題が逸れてしまいました。
それくらい予習なしでも十分概要を理解できる素晴らしい説明だったのですが、このとき「学んでいる」と何が変わるのかを実感しました。
今回「学んでいる」とは事前の読書にあたるのですが、窓口の方の言葉に反応して、今回の読書で得た知識や関連する内容が頭を駆け巡る瞬間がたまらなく嬉しい気持ちになりました。学んだワードをどうしても伝えたくなり、自慢げに口を挟むという、後々我に戻って恥ずかしくなりましたが、そこも丁寧に褒めてフィードバックをしてくれる窓口担当の方はもうスペシャリストです。感謝です。
また話が逸れました。戻ります。
そんな自分の姿が、知っている言葉や物事に触れたとき、「それはね!こういうことなんだよ〜」と嬉しそうに話してくれる生徒の姿と重なりました。
学ぶ前と学んだ後では、同じ事象を目の前にしても見えてくる景色が全然違うということです。
泥ノ田犬彦さん著書「君と宇宙を歩くために(アフタヌーンKC)」という、今大好きで読んでいる漫画があるのですが、その中にも学ぶということに疎遠だった高校生が「じゃあやっぱあの小せぇ点も」「点じゃなくてデカい星だったんだなぁ」とボソッと言葉にするシーンがあります。彼は友達の関心事にふれるという体験を通して、様々な自身の変化を実感していきます。
なにか新しい土台を1から創れるほどの専門性でなくても、普段の日常で巡り会った時に、素通りになるのではなく、反応して踏み込むことができる喜びが学びにはあります。
その違いってものすごく人生を豊かにしてくれるものだと思いますし、自分を予想もつかないところに連れていってくれるものです。
そんな経験を学校生活を通して、いろんな角度から積んでいって欲しいです。