見出し画像

No.269今更ですが、酵素って何?

おはようございます。
ビタミンやミネラルを勉強していると、やたらに、「酵素」という言葉が出てきますが、私はきちんと理解していないので、ここで書いておきたいと思います。

◼️酵素とは
酵素とは、生物が作り出す触媒として機能する分子である。
(触媒とは、一般に特定の化学反応の反応速度を早める物質で、自身は反応の前後で変化しないものを言う。生体内の触媒は酵素と呼ばれる)

ほとんどの酵素の主要な構成要素はたんぱく質である。そのため、他のたんぱく質と同じように加熱により構造が変化して酵素の機能を失ってしまう(変性する)。

もう一つの特徴は、限られた環境条件でしか働かない。多くの酵素は人や動物の体内で働くために、35℃〜40℃の温度で最も働く。

酵素は、生物が物質を消化する段階から吸収、分布、代謝、排泄に至るまでのあらゆる過程に関与しており、生体が物質を変化させて利用するのに欠かせない。

多くの酵素は、生体内で作り出されるタンパク質を成分として構成されている。
したがって、生体内での生成や分布の特性、加熱やpHの変化によって変性して活性を失うといった特徴などは、他のタンパク質と同様である。

生体を機関に例えると核酸塩基配列が表すゲノムが設計図に相当するのに対して、生体内における酵素は組み立て工具に相当する。

酵素はその特徴として作用する物質をえり好みし(=基質特異性という)、目的の反応だけを進行させることによって(=スペシャリストとしての機能)、生命維持に必要な様々な化学変化を起こす。
例えば、アミラーゼは炭水化物を、プロテアーゼはたんぱく質を、リパーゼは脂質を分解する。

酵素は大きく「消化酵素」、「代謝酵素」、「食物酵素」の3種類に分類できる。
消化酵素は、食物を消化器官に吸収しやすい小さな分子に分解する役割を担い、唾液、胃液、膵液などに含まれる。
代謝酵素は、消化酵素によって分解された栄養素を細胞に届け、エネルギー生産や新陳代謝、免疫機能など、生命活動全体を支える。
食物酵素は、生野菜や果物、発酵食品などに含まれ、消化酵素の負担を軽減したり、代謝酵素の働きをサポートする役割がある。

酵素の人為的な利用として、古来から、人類は酵素を用いた発酵による食品・飲料の製造を行ってきた。

今日では酵素の利用は食品製造だけにとどまらず、化学工業製品の製造や日用品の機能向上、医療などの広い分野に応用されている。

とりわけ医療分野には酵素は深く関わっている。
例えば、消化酵素を消化酵素剤として処方したり、疾患による酵素量の増減を検査や診断に利用している。
また、ほとんどの医薬品はターゲットとなる酵素の作用の大小を調節することで効果を発現している。

次回に続きます。

いいなと思ったら応援しよう!