
「免許を更新した話」
今月は、認定調査の月だった。
役所から派遣された「認定委員」がシェアハウスを訪問し、主にADL(日常生活動作)についていくつか質問をして、帰る。
回答の内容によってADLのレベルが判定され、向こう3年間の「障害区分」が決まる。
自慢ではないが、私は最重度の「要介護度6」だ。
寝返りは打てるか?
自力で立てるか?
自力で歩けるか?
座位保持はできるか?
手足の震えはあるか?
薬なしで眠れるか?
暴飲暴食はあるか?
意味があるようでないような質問が一定の間隔でぶつけられる。
「山は死にますか?」と聞かれても、頷いていたかもしれない。
認定調査の度に、自分は「障害者」なのだと思い知らされる。
身体機能に関する限り、質問の答えは「ノー」ばかりだ。
認定委員に対して首を横に振る度に、「できないこと」の欠片が胸に突き刺さる。
いつしか、認定調査は「免許更新」だと思うようになった。
障害者としての、3年おきの免許更新。
さや香のネタではないが、あいにくこの免許は死ぬまで返納できそうにない。
いや、人によってはどこかのタイミングで返納できるのかもしれないが、私はどうやら無理のようだ。
次の免許更新は3年後。私もとうとう、40歳になっている。
無事、「免許更新」ができるように、今から頑張りたい。
何をどう頑張るのやら。