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「(言葉にできない)を言語化する」

1月11日(土)放送の文化放送「田村淳のnewsclub」をぼんやりと聴いていたら興味深い話が耳に入ってきたので、書き留めておきたい。

ゲストコーナーのテーマは、「脳の中を言語化する方法」

現役のコピーライターをゲストに招き、プロの経験から導き出された「言語化メソッド」を紹介する、という趣旨だった。

「言語化の決め手は(なぜ?)である」と、コピーライターは語る。

たとえば、「外食には決まって牛丼を選ぶ」というテーマがあるとする。

「なぜ牛丼を選ぶのか」→「注文から完食までがスピーディだから」

「なぜスピーディだと良いのか」→「余計な時間を削減できるから」

「なぜ余計な時間を削減したいのか」→「プライベートを充実させたいから」

「なぜプライベートを充実させたいのか」→「家族との時間を増やしたいから」

「なぜ家族との時間を増やしたいのか」→「子どもの成長を1秒でも長く見届けたいから」

キャッチコピー(結論)

「牛丼は子どもとの時間を増やす」

例題が多少わかりにくく我田引水という印象もないではないが、言語化のステップの説明としてはわかりやすい。

ビジネスの世界でも「なぜなぜ分析」というメソッドがあり、トラブルの原因を「なぜ」という疑問の繰り返しによって掘り下げることで真因を明確にすることが常識になっている。

思考の言語化は、ビジネスにおいて必須スキルのようだ。

一方で、過度な言語化には「本質を失わせる」リスクもある。

「言葉を信じるな」と看破したのは、昨年大往生の末亡くなった詩人・谷川俊太郎だ。

瑞々しい言葉を紡ぎだしつづけた詩人だからこそ、重みがある。

私自身、言葉のプロとして言語化のスキルを磨いてきたつもりだが、言語化に頼りすぎないように気をつけたい。

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