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誰もやらないことを事業にする【The Message to Next CEO/パソナグループ代表取締役グループ代表 南部靖之さんへのインタビュー】

昨秋に、パソナグループが本社機能を東京から淡路島へ移す、というニュースを読んだ。どうしてわざわざあの淡路島へ?と疑問に思ったのを覚えている。しかし、この記事を読むまでそんなことすっかりと忘れていたのだ。

パソナが淡路島へ移る理由

2011年の東日本大震災をきっかけに、南部さんはさまざまなリスク(地震やテロ、富士山噴火など)は喜びの絶頂期にどこからともなくやってくるものだという仮説を立て、昨年行われる予定だった東京五輪から逆算して少しずつ、社員やチームを淡路島へ移動させていたらしい。

リスクが顕在化すれば、社員約2万人を淡路島へ移動させ、生活を守り、事業を続け、何も起きなかったら人を移して地方創生を推進させるつもりだったらしいが、このコロナ禍でこの大移動を決めたそうだ。

本社機能にしても、オフィスにしても、もはやネット環境とPCさえあればどこでも良いくらい、場所にこだわりがなくなったのは確かにコロナの影響である。過去の阪神淡路大震災や必ず来ると言われている南海トラフ地震のことを考えれば、淡路島自体も安全な土地かどうかははっきり言えないが、2万人が移動してくるということを考えると、淡路島か活気づいてくるのは目に見えている。

絵をかいたら10円で

この記事で紹介されていた南部さんの生い立ちの話で印象深いものが二つあった。幼少期の話で、数学が得意だった兄と違って絵を描くことが好きだった南部さんの絵を、お母さまが「絵を描くのも同じ価値」と言って1枚10円で買ってくれた話、学生時代に社会課題を解決することに興味をもち、ボランティアではじめようとした南部さんに、お父さまが「いいことだからお金下さい、ではもらった範囲でしか活動できない。本気でしたいなら会社を興して事業にしなさい」とおっしゃった話である。

どちらもビジネスをする上でとても大切な「お金の価値」を親として教えようとしている。お父さまの話についてはわたしたち【クレモナ】の活動にも共感できる部分があり、ボランティア演奏から、ギャラをきちんと頂いて、チケットを買っていただいて演奏をするという変わり目の時に、「只より高い物はない」という言葉がよぎったことを思い出した。

学び

南部さんは大学卒業の1か月前に起業してから、さまざまな「社会の中で誰もやらないこと」を事業にしていった。誰もやらないが、これをすることで救われる人がいる、喜ぶ人がいる、そういった目線はピアソラの音楽に通じるところがある気がした。



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