CD(アルバムのブックレット)の製作が佳境を迎えています。
昨年の10月から、ずっと作り続けてきた、アルバムのブックレットの製作がやっと仕上げの段階に入ってきました。
音源自体は、音響スタッフの皆さんのおかげで、本当に良いものに仕上がっています。ブエノスアイレスの夏、秋なんて自分たちの演奏だなんて信じられないくらい良くって泣いちゃったくらい!なんとしてでもこの音源をいち早くお届けしたい!
のですが、今回は過去の二枚のCDとは違って、ジュエルケース、そう、CDと聞いて一番最初にイメージするあのブックレットの入ったプラケースの型で製作を進めています。
楽曲解説とCDの解説、レイアウト、ジャケットのデザイン、盤面のデザイン、を試行錯誤しながら作っているのですが、こだわればこだわるほど終わりませんでした。
しかし、今日この文章を書いて、作業に終わりが見えてきました。
「ブエノスアイレスの四季」は
ただ単に季節のうつろいを描写したものではなく
その中で移り変わっていく人々の孤独を表現したものなんじゃないかって
ピアソラが、自身の魂の悲しみをそこに投影したものなんじゃないかって
譜面を読めば読むほど感じるのです。
彼がモダン・タンゴを手に描き続けた「孤独」のはじまりが
この作品群にはあるような気がしてならないのです。
「ブエノスアイレスの四季」以降のピアソラの作品と正面から向き合うにはエネルギーが要ります。音楽はどんどんと難解になるし、構造は複雑になる。人に媚びる気もどんどんなくなってくる。(だからむしろリベルタンゴなんかは気楽な曲だったんだろうと思います)
ピアソラがどんどんモダン・タンゴに没頭していき、そして音楽的に孤独になっていく、いや、孤高と言った方が適切なのか、そんな様子が楽譜や演奏から見られるのです。そこから、ラ・カモーラに繋がっていくのですが…
ということで、週末には仕上げて、2月の頭には手元に届くだろうと思います。出来上がり次第、お知らせいたします。
それなので、もう少々、本当に、もう少々、お待ちください。