アートプロジェクトの専門家が応募したいともだちに説明するように東京都の「アートを投稿したら@10万円」について解説します~ついにアーティスト登録開始。もはや登録予定数を突破!
シンコロナでみんなたいへんです。特に私も含めました、文化や芸術の分野に生きるほとんどの人は、日常から「ギグワーカー」なのでたいへんです。
「クリエイティブクラス」と持て囃されても実際には「一人親方」です。たすけてほしいです。
そんな中、東京都が、東京で活動する芸術文化のプロに対して、「密です」ではない、「3密」を守って制作した映像作品に対して、ひとりあたり10万円(税込)を出演料相当として支払ってくれる施策「アートにエールを!東京プロジェクト」を実施、シンコロナで活動資金を窮しているプロを支援してくれることになり、大きく話題になっています。
そこで、日頃アートプロジェクトの立案から、公募対応、キュレーション、現場、会計までぜんぶしている、私にできることとして、ともだちへの説明をnoteに公開して、TOKYOでこまっている方々のお役にたてればと考えてます。
先に「事業概要」「応募要項」は必ず読む
相手が何をしてくれるのか、何を求めているのかを、理解しなければ、せっかくの支援策なのに応募基準すら満たせないし、やっていることが合致しなくなります。なので、こういう公募は先に「事業概要」「応募要項」を必ず読んで、理解してください。わからなければ、近くのより知っていそうなともだち、ともだちでもわからないなら、一緒に担当部署に電話かメールで聞いてみましょう。これをしないと、スタートラインにたてません。
こちらが「アートにエールを!東京プロジェクト」の事業サイト
https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/bunka/katsu_shien/0000001441.html
※ くっついているPDFの関係書類がほんとうの具だから、必ずDLして読んで準備すること
ここから先は重要な要点を箇条書き
1: 対象は応募作品(後述)の制作に関係した全てのプロフェッショナル
作品の表で出演した人だけでなく、作詞や作曲、撮影、編集、ディレクションといった、制作にかかわった全てのプロフェッショナルが対象になります。
1-2: ここで規定されているプロフェッショナルとは?
過去1年以上、不特定多数を対象とした展示や実演、制作といった、文化芸術活動で主な収入を得た人です。1の「制作」という意味が分かる人なら大丈夫でしょう。あくまで芸術を人様に公開して食べている人ということなので、ピアノレッスンなど教授業「だけ」をやっている人は、プロではありますがざんねんながら対象になりません。
1-3: プロフェッショナルをどう判断するの?
最初に、都の文化財団にオンラインを通じて、応募アーティスト登録をします。その際に、自ら過去3年間の活動歴を記すことになります。この時点で、人様に公開してお金を貰った(ギャラを得た、寺銭を頂いた)実績が書けなければ、プロフェッショナルとは認められません。あたりまえです。
※ YouTuber はどうなるのでしょうか?気になるところです。
※ 登録と応募のためのサイトは5月15日に出来る予定とのことです。先にあげた事業サイトにリンクが出てくる予定です。
1-4: 都民と東京都内で主に活動する全てのプロフェッショナルが対象
基本、都民が対象です。
しかし、東京都内でプロフェッショナルとして活動をしている人も、対象に入ります。その判断は、3であげたように、活動歴を自ら示すことになるので、そこで「主に東京都内」ということを示すことができるのが重要でしょう。
2: YouTube への「作品投稿」が成果物
この事業の成果物(作品)は、都が開設する YouTube へのアップをもって納品終了となります。3分以上30分以内(推奨は5~10分)
※ アップの作業は都側が行うので、あくまで作品映像の都への納品までが採択者に求められています
成果物の映像には「アートにエールを!東京プロジェクト」の表現が必要となります。どのように表出すればいいかは、お任せとのことですが、制作の段になった頃には、なにかしらのロゴなど使いやすいツールが示されることでしょう。
2-2: 静止画のスライドショーでも可能
YouTubeって、動画ではないですか?画家や彫刻家は支援されないのですか?
大丈夫です。写真や絵のスライドショーでも「作品」になります。動かないものでも、なにかしらの動画にして「作品」化することを企画で示しましょう。
2-3: 著作権は制作者に帰属
作品の著作権は制作者に帰属します。ただし、都と財団は以降、無料でかつ無制限に「作品」を公開することができることが条件になります。ここら辺、思うことがある人は応募されない方がいいでしょう。
また「作品」に使う、著作物の著作権処理は、制作者側にありますので気をつけましょう。
3: 応募・納品・支払の手順
3-1: まずはアーティスト登録 チームで応募する場合も個別に
都の文化財団(東京都歴史文化財団)のサイトに、この事業のためのアーティスト登録を最初にする必要があります。登録するとIDがもらえます。
※登録サイトはこちら http://cheerforart.jp/
【注意】登録者が殺到したため、既に登録者の見込み数が超えているようで、登録開始日である5/15の18:00で登録が終わってしまいます。
3-2: 応募フォームに企画とメンバーを記載=これが応募!
登録が受理された方には、作品の応募フォームが告知されます。
そこに、作品タイトルと、制作者のID(グループの場合は全員のID)、企画概要を記載して応募!
3-3: 企画審査終了後 採択の可否がでます
「作品」の審査ではなく、企画内容の審査が採択基準になります。
3-4: 採択の後、「作品」を納品
3-5: 納品物のチェック後、専用サイト(YouTube)での配信、支払の流れ
4: 1作品あたり10人まで
1作品(企画)あたり、10人までの参加が可能です。11人以上は対象になりません。
4-2: 支払い対象は1人あたり1企画まで
企画を2つしたからといって、@10 X 2=20万円はもらえません。
5: 募集人数までいったら途中で登録すらできなくなる予定です
最大募集人数は4000人程度となっています。数に限りがあるので、はやくも募集人数にいったら、せっかくの企画であっても、審査のチャンスどころか、登録すらできなくなります。もらいたい!と切実に思うなら、早めのアクションが必要です。
※登録サイトはこちら http://cheerforart.jp/
【注意】登録者が殺到したため、既に登録者の見込み数が超えているようで、登録開始日である5/15の18:00で登録が終わってしまいます。
6: 最後に 3密を守った作品と制作にしてください
「三密」の決定により、都知事ですらMCとしてデビューしてしまう時代です。「密です」が認められる企画、作品は、確実にはねられると考えられます。「3密」を守るようにとのガイドラインも応募関係資料には示されています。ぜったいに3密を守りましょう。
この事業により、プロとしての自分と向き合うことになるのではないのでしょうか?
真剣にアートと向き合えるプロフェッショナルが報われる施策だと思います。
これはと思う、東京に集うアーティスト、それを支える人は、検討してみてください。
この明るい春の日差しのもとの災禍の中、がむしゃらに生きた、トラックレコードに、きっとなることでしょう。
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