優れた推論能力をもつAIの出現とこれからの科学
「私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう」
"If I were given one hour to save the planet, I would spend 59 minutes defining the problem and one minute resolving it."
これは、アインシュタインが言ったとされる言葉です(出典が分からないので、確証はありませんが)。私は、大学一年生向けの授業で高校までの勉強と研究の違いについて説明するときに紹介しています。
ChatGPTの新しい言語モデルシリーズo1が国際数学オリンピックの予選問題を74.4%の正答率で解くというニュースを見て、とっさに思い出したのは上記の言葉です。一般の方はピンと来ないかもしれませんが、受験勉強と違って研究では如何に良い問題設定をするかがその成否を分けるのです。問いが間違っていれば、望む答えは出ない。上記の言葉はそれを表現したものなのです。
AIの推論能力が上がれば、人間が行う問題の定義に費やす時間が研究の大部分を占め、本当に、上記の言葉の状況が当たり前になるのかもしれないと思わせられました。みなさんはどう思いますか。
Reasoning models - OpenAI
https://platform.openai.com/docs/guides/reasoning/reasoning