「注文してから遅いな」と思ったときに裏で起こっていること
1年間中華料理店と、1年半イタリアン料理店でキッチンスタッフをやった経験のこと。
たまに飲食店で「料理を注文したのに来ないな」と思った時、
裏では大体こんなことが起きている。
①特定のポジションを担当してる人にオーダーが集中
イタリアンなら多くの人がパスタやピザを頼んでくれる。
パスタなら同じメニューだと一度に3,4人前くらい作れたりするけどピザは窯の大きさの都合で2枚までが限界だったりする。
また、同じカテゴリーでも味付けが違ったら一気にまとめて仕上げたりできず正直同時並行で作るのは難しい。特にマルチタスクが苦手なら尚更。
ディナーになるとメインディッシュ系の肉料理やパスタは
同じコンロ付近で調理するため、これも忙しくガチャガチャしてしまうから一度に注文したものを運ぶのは大変な状況。
②そもそも人手が足りない
キッチンの現場は前菜やフライ系、焼き物、仕込みなど色々な担当場所に分かれている。
そこそこの有名店や正社員がほとんどのお店なら上手く回るだろうけど
バイト・パートに頼りきりなところだとポジションに空きが出ることは日常。
一人で2,3場所かけ持つのは当たり前でテスト前に学生が出られなくなる場合は1人で回していることもある。
①に加えて②も重なった時は最悪の状況。
「お客さんが少ないのに何で遅いんだ」と不快に思われるかもしれないけどこれが飲食店のつらく厳しい現状です。
③想定外のオーダーで仕込みが追い付いてない
たまに3カ月に1回出るか出ないかくらいのメニューを注文されたときはすぐに取り掛かれないときがある。
例えば特定の食材を仕入れないといけなかったりするとロス防止のために在庫はない場合がある。生鮮食品だと偶然あったにしても状態が悪いことが多く点検作業に時間がかかる。
他にも冷凍保存して奥の方にしまっているものだと解凍に手間取ったり、新入りの人に取ってきてと頼まれてすぐ見つからなかったり。
「何でそんなメジャーじゃないのオーダーするの」と本音では思うこともあるけどお客さんに罪はないのでしっかりなるべく早めに作っています。
「向こうのテーブルの方が後に頼んだのに」、「ホールの人サボってるんじゃないの?」とクレームを言いたくなるのも分かるけど
中の人たちのほとんどはテキパキこなして回している。
飲食店で少しイラっと来たときは
今こんな状況なのかなと思いだしてくれたら嬉しいです。
*素敵なイラストありがとうございます。
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