OEDO[1-1]防衛費増額のミスリード
岸田政権が目標とする増額案も5年間でたったの2倍、40兆円余りの額にとどまっています。護憲派、左翼、パヨクどもによる反対のせいで、さらなる増額は見込めそうにありません。言語道断です。本来ならば少なくともその5倍、200兆円規模の防衛費が日本には必要です。
諸説あるにせよ、プーチンが今回の侵攻に踏み切ったのは、ロシア・ウクライナ間の「緊張」が高まった結果にあることに間違いはありません。原因は「緊張」にあります。だとすれば、中途半端な40兆円程度の防衛費増額は、周辺諸国との緊張を高めてしまうだけの逆効果。まったくの愚策となります。
軍拡の根拠としては「核の抑止力」や「武力の均衡」など──つまり敵国と同程度の攻撃力を持てば「お互い恐れて手出しできないだろう」という安全保障概念で説明されます。しかしそんな理屈は、歴史を少し振り返ればまったくの妄言に過ぎないことが分かります。必要なのは「圧倒的な軍事力」です。
まずは「核の抑止力」。前世紀、40年以上続いた米ソ間の冷戦。あの偽りの平和もただの偶然。奇跡的に保たれただけだったと言えるでしょう。キューバ危機を挙げるまでもなく、一触即発寸前の状況が続いていました。今この瞬間もロシアは核の脅威をチラつかせています。危機はまだ終わっていません。
もうひとつの武力の均衡(勢力均衡論とも呼ばれます)に至っては、フォークランド紛争や第二次中東戦争などを見ても機能しなかったことが分かるとされています。しかしそれ以前に、第一次、第二次の大戦の昔から否定論は上がっていました。これも近代合理主義の終焉ですね。「敵と同程度に武装すれば攻められない」などという理屈はとうの昔に歴史的が否定しています。
まして「均衡」すらしていなければ言わずもがな。その結果こそが今のウクライナです。スナック感覚で侵攻したプーチンが体現した、力を見くびられ、些細な「口実」により攻め込まれてしまった残念な例です。武力が「均衡」していても、「劣って」いても、敵国には攻め込まれてしまうのです。
こうなったらもう、武力をべらぼうに上げるしかありません。例えば200兆円規模に。年間100兆円の我が国の国家予算からすればとんでもない額ですが、増税に次ぐ増税で国民を飢えさせておけば良いのです。これでも全然足りませんから。
その理由は僕たち日本国民がよく知っています。身をもって知っています。なぜなら圧倒的な差をつけられていても、「カミカゼが吹く」などとのたまって、巨大な敵に攻め込む無謀な国もあるからです。
武力が「均衡」していても、「劣って」いても、はたまた「遥かに勝って」いても、戦争は起こるのです。武力そのものが「緊張」を高め、戦争を呼び込むのです。「口実」なんていくらでもでっち上げられますし、実際に歴史上でも、ほとんどの戦争はでっち上げられた「口実」で勃発してきました。
現状我が国は、軍事費において、中国に5倍という大差をつけられています。北朝鮮にいたっては、非公表ながら数十倍とも言われます。ロシアとは1兆円の差ですから、均衡していると言えなくもありませんが、核までを勘定に入れれば、分が悪いどころではありません。200兆円の根拠はコレです。
防衛費を5年がかりで43兆〜45兆円に増額すれば「攻め込まれないだろう」、たとえ攻め込まれても「勝てるだろう」「防衛できるだろう」と考えるのはお花畑。国連「旧敵国条項」を悪用されれば、きっかけをでっち上げられた上で攻め込まれますし、軍事費だけで比べれば到底敵いはしません。
ちなみに「旧敵国条項」というのは、第二次大戦に負けた我が国に課せられた圧倒的に不利な国際条項です。「旧敵国からの侵略に備える強制行動は、安全保障理事会の許可を必要とせず、報告だけで足りる(一部略)」とするもので、未だ有効。我が国は何度も撤回を迫っていますが果たされていません。
つまりロシアがウクライナに侵攻した際には「国際法違反だ」と世界の141カ国が非難しました(40カ国は棄権or反対)が、日本が攻撃されても国際法的には合法だとされてしまう可能性があるのです。こちらが先に手を出すようなことがあればなおさらです。
「敵基地攻撃能力」だけでも審議が難航し、防衛費の倍増だけでも世論が割れるのが我が国です。2倍程度の増額では、ドラゴンボールで言えば、ヤムチャがクリリンになるほどの戦闘力UPすら望めません。周囲の独裁国家は国民の同意を得ずしてスーパーサイヤ人になれるというのに。
岸田政権が目標とする40数兆では焼け石に水。国民に負担を強いた上に、緊張を高めるだけの結果に終わります。ならば効果の見込めない軍備増強に血税を注ぐのではなく、少しでも効果の見込める「地球防衛隊」法案を審議する方が得策です。少なくとも世界の支持はミスターサタン並に集まるはずです。
※最後までお読み頂きありがとうございます。この「地球防衛隊」全体の構想は最初の投稿「OEDO[0-0]地球防衛隊法案──概論」にまとめています。それ以降の章は、この章も含めて、その詳細を小分けして説明する内容になっております。
第一部[1-1]〜[1-9]では「戦争観のアップデート」について。第二部[2-1]〜[2-9]では「地球防衛隊の活動と効用」について。第三部[3-1]〜[3-9]では「予想される反論への返答」について。第四部[4-1]〜[4-9]では「地球防衛隊に至る思想的背景」についてを綴って行く予定です。
敢えて辛辣に、挑発的に書いている箇所もありますが、真剣に日本の未来を危惧し、明るいものに変えて行きたいとの願いで執筆に励んでいます。「スキ♡」「フォロー」や拡散のほど、お願いいたします。