003_確認状対応における非効率を考える(銀行確認状版)
被監査会社と監査法人との間で起こりうる非効率を考えることがテーマの当note。今回は監査対応で必ず実施するであろう【確認状】の中でも銀行様に送付する銀行確認状(ここでは銀行確認状と呼ばせていただきます)対応について考えたい。
※私は監査法人側から確認状を発送したことがあるだけなので、受け取り側である銀行様のご意見、お持ちの方いらしたら聞いてみたいです。
1. 何を書くか
前回は監査対応のひとつ【確認状】の全般のお話を書きましたが、今回はその中の銀行に送付する銀行確認状にまつわる手続きのフローと非効率ついて書いていきたいと思います。
2. 銀行確認状とは
銀行確認状とは、簡単に言うと会社の預金残高とか借入金の残高等を銀行から直接教えてもらう手続きです(他にも銀行との取引で発生しているもの全てを開示してもらいます)。
基本的に契約している全ての取引先銀行に確認状を送付していることが多いです。監査法人的には確認状を発送するだけで手続きが完了するので手間がかからない手続きかなと思います。
3. 銀行確認状対応の流れ
銀行確認状対応の簡単な流れは以下です(3月決算を想定)。
①監査法人から確認状を送付する取引先銀行の連絡がくる
②被監査会社で確認状を作る(銀行届出印、登録している代表者の名前、役職名も記載する)
③被監査会社から監査法人に確認状を渡して、監査法人から銀行に発送する
④銀行から監査法人に直接回答が返送される
⑤監査法人は被監査会社の財務諸表情報と一致しているか突合する
4. 起こりうる問題、非効率を効率的にするには
上記の流れを基に主に①③についてそれぞれで発生しがちな問題点と非効率→効率にできるポイントは以下かなと思います。
①監査法人から確認状を送付する取引先銀行の連絡がくる
・取引先銀行が大量にある場合、本当に全件発送する必要があるのか?
これは監査法人あるあるで前期全件送っていたから当期も全件送りますというスタンスが多いかなと思う。そのため担当者の方は一度ディスカッションしてもいいと思います。発送先の減少はお互いにとって嬉しい。
※確認状発送していない銀行については会社が入手している残高確認書類などを監査法人に提出する必用があります。
・監査法人からの確認状発送先情報の連絡が遅い。
確認状発送先については3Qあたりに連絡が来ててもいいくらいかと思います。①が遅れると後ろの②以降の対応がどんどん忙しくなるので早めに連携を取るようにしたいです。
②被監査会社で確認状を作る
・登録している銀行届出印、代表者の名前と役職違い
これが誤っていると銀行は回答してくれないので、確認状作成時にはしっかり確認するようにしておく。ちなみに前年に同様の問題が生じた際にはしっかりメモを残しておいて、当期の監査対応で間違わないようにすることが大切。
・確認状送付先住所誤り
たまに銀行確認状送付先住所が誤っていて返送されてくる場合もありますので注意が必要です。期中に住所変更のお知らせ等が銀行からきているかもですが、日々の業務には影響ないのですっかり忘れるんだと思います。
ざっとこんなところかなと思います。要は以下が重要と思います。
・全件送る必要ある?会社が入手した残高確認書じゃダメ?
・前期起こった問題、当期はクリアしてる?
・3Qあたりから作業するめられるように手配してる?
こんな工夫あるよとかあれば聞いてみたいです。
少しでも効率化できるところは効率化が進みますように。