004_確認状対応における非効率を考える(弁護士確認状版)
被監査会社と監査法人との間で起こりうる非効率を考えることがテーマの当note。今回は監査対応で必ず実施するであろう【確認状】の中でも弁護士様に送付する弁護士確認状(ここでは弁護士確認状と呼ばせていただきます)対応について考えたい。
※私は監査法人側から確認状を発送したことがあるだけなので、受け取り側である弁護士様のご意見、お持ちの方いらしたら聞いてみたいです。また、以下の手続はすべての監査法人が実施しているかは当該監査チームの判断によるものと想定してます。
1. 何を書くか
以前、監査対応のひとつ【確認状】の全般のお話を書きましたが、今回はその中で、被監査会社が関与している弁護士に送付する弁護士確認状の手続きのフローと非効率ついて書いていきたいと思います。
2. 弁護士確認状とは
弁護士確認状とは、簡単に言うと会社にまつわる訴訟案件等の情報を主には顧問弁護士から直接教えてもらう手続きです。
基本的に契約している全ての顧問弁護士とスポットで相談している弁護士に確認状を送付していることが多いです。
監査法人的(特に対応をしているスタッフの方にとって)には直接財務諸表に関わりが少ないので、なんで確認状を発送しているかイメージしにくいものなのかなと思います。※監基報をしっかり読んでいる方は、発送の意味もわかりますね。
3. 弁護士確認状対応の流れ
弁護士確認状対応の簡単な流れは以下です。
①監査法人から確認状を送付する弁護士事務所の連絡がくる
②被監査会社で確認状を作る
③被監査会社から監査法人に確認状を渡して、監査法人から弁護士に発送する
④弁護士から監査法人に直接回答が返送される
⑤監査法人は被監査会社にまつわる訴訟案件等がないのか確認する
4. 起こりうる問題、非効率を効率的にするには
上記の流れを基に主に①についてそれぞれで発生しがちな問題点と非効率→効率にできるポイントは以下かなと思います。
①監査法人から確認状を送付する弁護士事務所の連絡がくる
・契約している弁護士事務所が多数ある場合、本当に全件発送する必要があるのか?
これは銀行確認状と同様に監査法人あるあるで前期全件送っていたから当期も全件送りますというスタンスが多いかなと思う(保守的なので)。ただし、少なくとも顧問弁護士には全件送付、スポットはその時々によるはず。そのため担当者はスポットの弁護士に対しての送付要否について、一度ディスカッションしてもいいと思います。発送先の減少はお互いにとって嬉しい。
※ただし、ディスカッションする前提として、スポット案件を年間を通じて管理して、どのような案件で相談しているか等をしっかりまとめておく必要があります。
弁護士確認状についてはこれくらいかなと思います。
監査法人スタッフの方向け補足ですが、弁護士確認状は期末監査の現場に入った時点、若しくは期末監査対応中の後半に発送することが多いです(理由は後発事象の確認の関係でしょうか)。そのためついつい発送することを忘れてしまうことが多いので注意が必要です!
こんな工夫あるよとかあれば聞いてみたいです。
少しでも効率化できるところは効率化が進みますように。
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