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【読書感想】鹿男あをによし

今日は本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



はじめに

最近noteでなぜか目にするこの小説。
2008年本屋大賞ノミネート作品。

著者の名字:万城目まきめ
おしょうゆ?お味噌?みりん~?のようなおもしろい姓だなと思いながらある時気づく無知な私。まんじょうめと読んでいました(恥)



今日の本

『鹿男あをによし』

著者:万城目学
発行所 幻冬舎(2007年)


この本、要約すると・・・

要約にチャレンジしています。私の個人的な記録です(^^;)

この本は、




【六十年に一度の神無月に行われる”目”の行事。人間と鹿狐鼠が果たす古代ロマンファンタジー】



感じたこと

おもしろかった!!
この本はドラマ化もされているらしいですが、主演の玉木宏さんのかっこいい(笑)鹿男しかおとこ姿をみたかったものです。

はじめから色々な伏線を張りながらも、不思議さとユーモアを織り合わせ、伝統の女子3高の大会に向けて先生の教師生活がはじまります。

女子高での教職、慣れない土地、部活の顧問。前半は学校での話がメインで謎はありつつも、大会シーンなどは入り込んで読みました。
剣道は私の人生で特に接点も興味もなくきましたが、その描写に引き込まれ手に汗握る戦いに剣道ってこんなにすごいものだったのかとまで思わされ、ふわっと感極まり涙する文章でした。


サンカクを狐に持って行かないと人間界はとんでもないことが起こってしまう。鹿化を防ぐためだけではないミッションを果たしたと思った先生でしたが、必死で手に入れたサンカクが別のモノだと判明したことで話はまた新たな展開に進みます。


期限は残りわずか・・・「世界を救うんだ!先生。」狐に発破をかけられます。はたして人間の顔に戻れるのか?先生は世界を救えるのか?
ラストは、日本史の大きな謎ときが関わっている事が分かって伏線回収。取材や裏取りが本当に地道で大変だったと思いますが、万城目ワールド面白かった^^


「世の中のものはすべて、三点で支え合って初めて安定するのだよ。」
鹿は三枚目の木の葉を礎石に置いた。

ばあさんは天とは自然であり太陽であり、地とは大地であり木々であり、人とは人間であると言った。
「最近の地震のニュースを聞いていると、何だかお天道様が怒っているように思えてならないね」

『鹿男あをによし』より


調和がこの本の根底にあるように思います。
物語ではナマズが暴れるのを鹿が止め防ぐ役目をしていてそれが保たれているものの、現実でいつ起こっても不思議ではない富士山の噴火や地震ナマズが暴れるといったことも、もしかすると目に見えない何者か鹿・眷属が役目を担っているのでは、なんて思ったりしました。不思議であったかい感覚が心に残ります。

東に戻った先生もまた、奈良での3か月のふしぎな鹿男生活のおかげで神経衰弱もマシになり周りと調和して生きていくのかもしれません。
最後までかりんとう兄弟のおもしろい掛け合いも良かったな^^


お話の舞台が、私の住んでいるお隣の県。
「東大寺」や「鹿せんべい」はおなじみ、小学校の遠足だったりプライベートでも何度も行っている所。
ちょうどこの春に散策に行った明日香村のこともあったりして、「亀石」や「鬼の俎、雪隠」などを見て歩いたことを思い出しました。
「キトラ古墳」では壁画体験館でデジタル復元された壁画を拝めたのですが、この本が発売された2007年には建物がまだなかったり(2016年に建設)、他に大阪と京都の聞き馴染みのある場所も出てきたりして、自分の知見と照らし合わせながら親近感と共に読めたことも良かったです。
今度奈良に行くときは、本文にあった「黒塚古墳」の紫色の夕焼けも見てみたいなと思います^^


読書はスキだけど偏った読み方をしていたので、リアルタイムで本屋大賞や○○賞受賞作品、ノミネート作品を読むこともなく、というか「へぇー」とスルーしていた方でした。

この本は16年も前の”本屋大賞2008”でノミネートされ8位だった本ですが、専門家や書店員さんがみんなに読んでほしいと思う本が選ばれているんですものね!その目たるや確かだろうなと思えました。
この本を読んでますます、そういったランキングものや受賞作品にも興味が出てきたので暇を見つけて読んでみたいと思います。



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