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【読書感想】聖なる怠け者の冒険

今日は楽しい本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



はじめに

初めての森見登美彦作品を読んだ後、その考察をされているnoterさん方の記事を読んで借りてきた本。
次にもりみー作品を読むならコレ!とオススメされていたからだが、なるほど。
この本には『宵山万華鏡』に登場するアレやこれやが確かに隠れていて、そのつながりを見つけるのが楽しかった^^





今日の本

『聖なる怠け者の冒険』

著者:森見登美彦
発行所:朝日新聞出版(2013年)




この本、要約すると・・・

要約にチャレンジしています。個人的記録です(^^;)

この本は、




【祇園祭宵山、聖なる怠け者たちの長い1日】






感じたこと

私は食いしん坊だからこんな感想になるり
もりみーって、何て美味しいんだろう(*≧∀≦*)
と思った。
この本でやっぱりもりみーにはまったと言える。

文章表現のセンスがスキ!
そして登場人物それぞれにストーリー性があって、愛を感じるほどに作り込まれている。

宵山万華鏡の不思議さを経験していたからか、今作の方が気楽に読めた。(はやくに事件の謎解きも出来た!)
そしてやはり、現実とファンタジー、陰陽、充実と怠惰、相反するものがそれぞれにの中にあり尊重されることとして書かれ、そこに冒険と謎をユーモアで包み込んだような愛を感じて好きだぁと思った。


私もいい加減で怠け者の部類なので、主人公の小和田君や滝本探偵の心境に共感し異論はなく、かえってここまで流儀を徹底し尚且つ動じず流れに身を任せる二人に憧れさえ感じた^^(現実的にはどうしようもない部類なんだろうけど笑)

ぽんぽこ仮面(正義の味方)が巻き込まれる宵山の日の裏界隈での逃走撃に笑い、舞台裏の不思議さにドキドキし、それと同時刻に誰も気づかない蔵で眠る小和田くんの夢や怠け者感にまた面白さが増す。

後藤所長も本来はそうでもあるし、八兵衛明神においてはホント困ったお子(神)様で笑、みんな自分の中に内なる怠け者を持っていることをラストスパートで知らしめたところで、小和田君ら聖なる怠け者たちがぽんぽこ仮面を救う。

聖なる怠け者とは、人に畸にして天にひとし、
無用の用の人である。

『聖なる怠け者の冒険』第四章より

荘子と老子のことば?
自由で実は必要…聖なる怠け者、万歳!!


ここで私がスキなセリフをいくつか記そうと思う。

愛すべき聖なる怠け者、小和田君
(本書中、3回は言っている笑)

「我々は人間である前に怠け者です」

世界で一番怠け者の探偵、浦川さん
(結構スキ笑)

「迷うべき時に迷えるのも才能だ」
「役に立とうなんて思い上がりさ」
「俺のやり方は違うのですよ。何もせずにぼんやりとかまえている。そうすると、勝手に変化する事件の状況が、俺を真相へと運んでくれるわけです」
「流れをみよう。潮はまだ充ちていない」



「こんな小説を書く人って天才!どんな脳みそしてるんだろ??」と面白い作品に出逢うたびに思うが、そう容易く出来上がるものでもないことを、あとがきを読んで感じた。
2009年6月から約9ヶ月、朝日新聞の夕刊に連載されたものの著者からすると全体として見れば【建て損ねた家】だったらしく、書籍化するにあたって登場人物とタイトルは共通しているものの全く違う小説になったそうである。

たとえ力瘤を作っても、小説がおもしろくなるとはかぎらない。努力だけではどうしようもないところにフワフワと浮かんでいるのが、小説の厄介かつステキなところである。

『聖なる怠け者の冒険』あとがきより

連載中は力瘤を作り読者が楽しめるよう努力したのにも関わらず、また長編小説を1から書き上げるということが出来るのも才能と聖なる愚か者所以なのかもしれない。

次に読む本は、あとがきでもう一冊繋がりがあると書かれていた『有頂天家族』だ。
後藤所長の依頼の件も気になるけど笑

あぁたのし、もりみーワールド♪♪


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