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mokanorakugaki
母性[Amazonオーディブル感想文]
タイトル/母性
著者/湊かなえ
新聞に載った女子高生の飛び降り自殺と主人公の首吊り自殺がなんか、聴けば聴くほどわからなくなり3回聴いてやっとわかった。
我が子を愛与う限り愛し育てた、と言う母親の娘が自殺する。
自分勝手な愛で娘を追い込む。
娘はどう言えばお母さんに喜んでもらえるかわからなくなる。
相手を喜ばせる為に相手の望む言葉を話す。
最近、よく聞くなぁ。知り合いからどう言うのが正解なんですか?と聞かれ、いやいやあなたはどう思うの?と聞きかえしたことがある。
気を使いすぎてどう言ったらいいのかわからなくなるらしい。
こう思うけど、どう言ったらわかってもらえるか?ということなら考えることはできるが、どう言うのが正解なのか、と考えることは迷宮に入り込むことになる。
小説の中の母親は娘が嬉しいのか嬉しくないのか、悲しいのか悲しくないのか、優しいのか優しくないのかわからない。わからないことにイラつき、自分が娘だった頃に心を馳せる。
調べたら母性とは近くにいて育て慈しむこと、父性とは少し離れたところから見守ること。と書かれていた。口の聞けない赤ちゃんを育てられるのは観察と想像の賜物、本能だと思っていた。
実際子どもを育ててみて、子どもが育つように母親も育っていくもの、子どもに育てられるのだと感じた。
小説では母性のない母親に育てられた娘の悲劇が描かれていた。
最後はりっちゃんも暴れん坊のヒデキも丸く収まりめでたしめでたしで良かった。