わたし色の「土えのぐ」:親子で楽しむ身近な自然②
じぶんで集めた土で「土えのぐ」を作って、絵を描くことができたら楽しそう。
絵の具といえばチューブに入った既製品というイメージでしたが、古来もともと絵の具は色土から作られていたそう。さっそく5歳娘と挑戦してみました。
土えのぐを作る
まず土を集めます(前回記事)。六甲山で集めた土が余っていたので、それを使うことにしました。
ふるいにかけた土を、水とよくまぜてしばらく置くと泥状の部分ができました。
泥の部分を取り出そうとするとき、やってみると、どこからが水で、どこからが砂(粒が大きい)なのかを判別するのが難しかったです。粒が大きいのも混ざってしまったかも。
なんとか取り出した泥を、干して乾かします(数日間)。
きっとこれが絵の具になるはず!
土えのぐで絵を描く
乾いた土を、ひとかけら取って、水を加えてふたたび泥状にします。このとき、木工用ボンドを少し混ぜておくと、絵の具が紙につきやすいのだそう。ボンドを少し入れてよくかきまぜました。
自然からつくられた色はやわらかく、土のよいにおいがします。
さっそくお絵かき。娘はじぶんの顔を描きました。
積み木や小石で、スタンプ遊びもしました。
泥遊びなのか、お絵かきなのか、だんだんわからなくなってきましたが、娘は楽しそうに遊んでいました。
水を足したり、土を足したり。色や、手ざわりが変化していきました。
私もやってみました。積み木のスタンプを押すだけで、不思議な模様ができました。絵の具のつけ方や、水の量が安定しないためか、いろんな模様がうまれました。
おわりに
雨上がりのブランコの下にできるコーヒーみたいな水たまりで遊ぶのが大好きな娘は、おえかきというより、紙の上での泥遊びを心ゆくまで堪能していました。
私自身、公園や山で見つける土で、ほんとうに絵を描けるということが新鮮な驚きでした。
土は、乾くと粉になり、水が加わると泥になり。まるで水と氷のように、何度でも繰り返し状態を変えられるものということも発見でした。いろんな状態の土を、実際に触りながら、感触を楽しめたのもよかったです。
泥だんごも、粘土あそびの粘土も、雨上がりのコーヒーみたいな水たまりも。別々のものと思いがちですが、ぜんぶおんなじ土ということ。考えれば当たり前ですが、ふだん意識していなかったことに気がついて、ほんのすこし、ものの見かたが変わりそうです。今度の雨上がりには、土のぬかるみや水たまりをそのままパレットにしたらおもしろそう。
前回の「土を集める」の続編として、土えのぐ遊びの記録をまとめました。前回に引き続き、遊びの方法はこの本を参考にしました(栗田宏一『土のコレクション』フレーベル館、2004)。
また、「土えのぐ」でウェブ検索するとさまざまな方法が出てきて参考になりました(例:竹内啓.土で絵の具をつくり絵を描く.川村学園女子大学研究紀.27(2),2016,29-37.https://core.ac.uk/download/pdf/236592608.pdf)
とはいえ、土えのぐの作り方は、調べても、こまかいところはよくわからず、結局は手探りでやるしかありませんでした。やってみると、絵の具にしては今回かなり土の粒っぽさが残っていたので、より粒子を細かくするなどの工夫ができるといいのかもしれません。
今回は1箇所で採取した土で作ってみたので、土の採取場所ごとの土の色の違いをみるところまでは至りませんでした。またいろんな土でえのぐを作って子どもと遊んでみたいです。