色とりどりの土を探しに : 親子で楽しむ身近な自然
皆さんは土の色に注目したことはありますか?
「土をよく見てみると、いろんな色がある」らしく、興味がわいて身近にある土を集めてみたくなりました。子どもの外遊びの合間に、あちこちの土を集めてみたら楽しそう。さっそくやってみることにしました。
土を探す
土ってどこにあるんだろう。外を歩くと、家の近所はアスファルトで舗装されていて土は見当たりません。花壇はありますが、花壇の土を掘るのは迷惑だし、それに「園芸用の土」を買って入れたような土は避けたいところ。せっかくなのでここ神戸の土地に由来する土を探します。
日ごろは気にすることもない「砂」と「土」も見分けなければなりません。身近な公園やグラウンドでよく見るざらざらしたものは、土と思いきや砂かもしれません。土はもっと粒が細かいそうです。整備された公園やグラウンドを、土が出てくるまで掘るわけにもいきません。
あらためて探してみると、そこらじゅうにあると思っていた土は、思いのほか身近に少ないことに気がつきます。おそらく土が採取できそうなのは、公園だと木の根っこのあたり。さらに少し足を伸ばして六甲山へ行けば、きっとたくさんの土があるはず。
土を採る
いよいよ土を集めます。
森林植物園、神戸市立自然の家、東遊園地に出かける予定があったので、「土集め」の準備をしてのぞみました。
山では、土はあたり一面にありました。
スコップで土を少しすくってみます。土の表面には石や草がいっぱい。ここから土を取り出すために、ザルで土をふるいます。ザルは網目の粗いものと細かいものの2段階を準備しました。
別の場所で採取してみると色が違っています。こちらはうすい色。
黒っぽい土もありました。
赤っぽく見える土もありました。
土を並べる
集めてきた土を日干しして乾燥させた後、ケースに入れて並べてみます。
よく見ると、同じ神戸市内ですが、採る場所によって土の色が少しずつ違うことがわかります。
土の色がなぜ違うかについてはさまざまな解説Webページがありました。たとえば、この記事によると「土色帖」という土の色だけのカラーチャート本というのもあるそうで面白そうです。
土はやわらかく、色もうつくしく、森にいるような良いにおいがします。
触れて、見て、匂って。五感を心地よく刺激してくれます。土がこんなにほっとするものだったとは。すっかり癒されていきました。
土で遊ぶ
余った土を使って、「紙を染める」遊びをしました。紙に土と水をのせて、指でトントンとぬりこみます。
かわいい模様ができていました。
おわりに
ただ、土を集める。土を並べる。土を紙にのせる。
シンプルな遊びの中に、こんなにもたくさんの発見があることに感動しました。
今回の遊びのきっかけになったのはこの本です(栗田宏一『土のコレクション』フレーベル館、2004)。「土」について、これまで何ひとつ気にとめたことはありませんでしたが、ぐうぜん出会ったこの本の内容に衝撃を受けました。
今回の遊びの方法は、すべてこの本を参考にしました。
5歳の子どもも、私がやり始めた土集めを面白がって、「このつちはどう?」と探したり、見較べて「いろがちがう!」と言ったり、紙を染めて「つちで えをかけるんだね」と驚いたりしていました。普通の土が、遊びの素材となり、宝物となり、親子での楽しい体験となりました。
これからもいろんな場所で土を気にかけ、少しずつコレクションを増やしていきたいです。次は「土えのぐ」にも挑戦してみたいと思います。
*8/15追記
続編を書きました。