見出し画像

カフェ店主のおばちゃんがnoteで話したいこと

埼玉県の坂戸市という、駅や高速道路、スーパーなども整っていて、そこそこ便利だけど山も川も田んぼも畑も多い、ある意味、特徴のない市の新興住宅地に、cafe COUCOU(くくぅ)というお店を構えて10年目になります。

開業して5年も地獄

駅から遠い立地。車がよく通る道沿いでありながら、駐車場の奥に店舗があり、認識しにくい環境。

そして何より、お料理大好き!夢いっぱい!で開業したのですから、最初の1年は我慢…どころではなく、最初の5年くらい地獄でした。
もちろん救急車で搬送される騒動も何度かあり、よくまぁ生きて還ってこられたと思います。

金銭的にもだいぶマイナスを作りました。
正直、1年めで閉店したかったんですが、いいお店だから頑張れと、周りにめちゃくちゃ励まされて、その気になって走り続けました。
そもそも開業も「お料理すごく上手ね!カフェできそう!」と言われてその気になったのが発端です(笑)

地獄の1年め、泣きながら始めた勉強の習慣は、わたしを大きく変えました。

当時は日々の営業でカラダがボロボロ。
本を開けば目を閉じてしまう始末です。
若いひとたちと違い、体力はもちろん記憶力も落ちてることに気づきます。

動画のほうが頭に入ると聞いて、YouTubeで経営に関する話題を探して聞いてみましたが、これまた一度では覚えられません。
ビジネス系の動画は、見なくても聞くだけで理解できるので、参考になる動画は、カラダが覚えるまで何度も何度も聞きまくりました。

バシバシ言い切る(言い切り過ぎる)この方の動画が、当時のわたしを奮い立たせてくれました。

経営が軌道に乗り、スタッフにある程度お店を任せられるようになってからは、本を読む時間も確保。
ここまでおばちゃんのチカラで7年〜8年かかりました。

開業時に「お料理の腕を上げよう」と努力するように、お客様が来ないと「魅力的な料理を用意しよう」とがんばる方がいます。
わたしも最初、そこに注力してしまいました。
時間はかかりましたが、1年めにその間違いに気づけたことで「わたしは大丈夫」と信じ続けられた気がします。

憧れのひとになりました

努力の方向を変えたことで、5年後には全く別の思考をするようになり、10年経てば身につき、当然のことになります。

10年経てば、10歳増え、40代だったわたしは50代に。
売上は毎年右肩上がり(その角度は緩やかなのが残念)でやることは増えていますが、スタッフが成長してくれるので、わたし自身の体力的にはだいぶ楽になりました。

開業5年めくらいから、わたしと同じ様に「カフェを開業したい」という女性(特に主婦)たちが、わたしを訪ねて来るようになりました。

地獄をやっと抜けて息ができたところで「目標です、憧れです」と言われても「えっ、わたしがですか?」と疑問にしか思えません。
わたしだったら、こんなズタボロの人に憧れませんから。

でも最近ようやく、カフェ開業を目指す女性が、わたしの元に来る理由がわかりました。

そして、その目的は間違っていることも。
いえ、来ること自体が間違っているような気もします。

ちなみにわたしの憧れの経営者は、カフェ学校に通っていた頃の五味先生。
タイプが全く違うので目標ではないのですが、都内でたくさんのカフェを経営し、プライベートはわたしなんて手の届かない世界におられ、Facebookで拝見するたびに素直に「すごい♡」とドキドキしてしまいます。
店舗のオープニングにお伺いした時はご夫婦で気さくにお声掛けくださり、FBでも何かの時はコメントくださったり、そのたびに「がんばろう」と心底思える、わたしにとってアイドル的存在です。

経営者マインドというもの

今年から、時々カフェ学校で講師のお仕事もさせていただいてますが、そこでまずお伝えするのは「考え方が少し変わるだけで、数年後の自分は大きく変わってくる」ということです。

わたしの場合、社会貢献やお料理大好きという気持ちで開業しましたが、気持ちだけ空回りして、売上も利益も全く増えず、夢実現からどんどん遠ざかりました。

自分のお店は全て自分色に染めたいから、誰にも渡さず自分だけで全部やるんだ!

という一見、素敵なカフェオーナー的思考も、サイズを間違えばあっという間に経営困難になります。
そのまま考えを変えなければ、当然ですが廃業です。

数字が苦手な主婦のわたしでも、マインドに間違いがなければ道は開ける!

成功するためには
・他人の成功を参考にする
・自分の失敗を参考にする
・他人の失敗を参考にする
のうち「他人の失敗」を参考にしまくりまくることが良いそうです。
(外科医を対象にした調査による)

53才のおばちゃんが続けているカフェ経営の毎日、そしてわたしの習慣が、誰かの経営のヒントになれば、わたしの生きた証を残せる気がするのです。

いいなと思ったら応援しよう!