見えない学力の発見!
2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて132回目になりました。
また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて129回目です。
先日の学習支援会での出来事。
「ねえねえ。この前言ってたさぁ街廻りクイズラリーの問題持ってきた!」
「え”っ! あの面白かったって、言ってたクイズ?」
「そっ!」
「ふ~ん。それでどんな風だった?」
「それがさあ、お母さんといっしょに行ったんだけど…」
「どうかしたの?」
「えへへ。面白くってね」
「だから?」
「歩き始めて、ちょっとした階段でころんじゃって」
「うわっ!」
「右の脛打っちゃった!」
「いたたた!」
「でもね、すんごい面白いんだよ!!」
それから、クイズの方法を一つ一つ説明したくれましたが、
最初は、偏と旁がバラバラになった漢字を組み合わせ、
出来上がった漢字を組み合わせて言葉を作り、
更に、その言葉を手がかりに、案内書を読み解くと、
次の目標がわかり、
その目標に行くと、案内書にある文章が完成でき、
次の手掛かりが解けるという、
複雑怪奇な問題でした。
説明を続ける様子を見ながらM、アレッ??と…
その生徒は、人と話すのが嫌いで、不登校と学習障害が見られる
という理由でこの学習支援会に参加しています。
ところが、嬉々として語るクイズラリーでは、
案内書を手引きに、注意深い現地での観察を基に
考えつかないような発想で、次々と答えを見つけていました。
普段学力を考える際、
ついつい、国語・算数・理科・社会・英語といった
学校教育で使う区分の範囲でしか考えていなかったのですが、
その生徒は、観察・考案・結びつけ・発見という面で
素晴らしい力を発揮していました。
「見えない学力」という言い方があります。
生徒にとって、教科で括れる学力以外の力。
それを正当に評価できる機会は多くありません。
でも実際に、そうしたものが存在するのです。
その生徒は、かれこれ一年半くらいの担当で、
いろいろな話をしてくれるようになり、
最近では、日常生活での出来事や、心情を吐露してくれ、
自己開示が進んでいる中での出来事で、
こうした発見にゆきあたりました。
がんばれよ!
君は、他の人には見られない、すごい宝物を持ってるんだ!
なくすなよ!
それは、大きな武器になるんだよ!
でも、どうやってうまく伝えられるのだろうか?
どうやら、これから先は私の問題になりそうです。
★保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ
一番生徒に近い存在で、関係性が成立しているはずの皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかとか、
具体的な手段を見つけやすい立場にいます。
また、教科学力以外の学力を発見できる立場にもあります。
良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。
14.SEP.2023.ARAI