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Soup

車が通り過ぎる音を
幾度となく数える
何度も寝返りをうって
あきらめる
目を閉じて想う



藍が黒へと変わる方へ
僕の影が溶けていく
水面の小舟にあなたを残し
大きく手を広げて
音もなく深く沈んでいく

ああ疲れたな
舟を漕ぐのは
水鳥の騒がしい声も
あなたの横顔も
僕は好きだけど
でももう力がない

水が耳を押す
上下がわからない
身体を鍛えてたなんて
馬鹿みたいだ
この先の奥底で
僕はスープになる



あなたは海が怖いと言った
どうしてと聞いたけど
なにも答えなかったね
きっと舟には乗らないだろう
しかたないさ
ひとりでいくよ




#詩 #水 #海 #スープ #soup #創作 #眠れない



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