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この街では若者が周辺に追いやられ、転出を余儀なくされている

僕が住むこの街は都内でも若者に人気のある街で、20代後半〜30代後半の人口が最も多い。少し都心に足を延ばせば、資本と産業の集積があり仕事も多い。若者カラーが支配的な街であり、街そのものに遊ぶところも・楽しみも豊富に存ずる。

街に若者自体が居ない地方とは対極な、地元を離れた若者の受け皿となっている街、といっても過言ではないだろう。

「町内会の担い手問題」の考察から「コレクティブ・インパクト」を紐解いた話を前回書いたが、ここ数年の識者の評価によると※、それはエクイティの問題を中心に据えるということであり、「コレクティブ・インパクト」の北極星はエクイティの実現だということだった。

※この知見を得に、南青山に識者のトークイベントを聞きに行った。https://ssir-j.org/event/ssir-j-vol4-aoyama/

話を元に戻す。

「20代後半〜30代後半の人口が最も多い、地元を離れた若者の受け皿となっている街」というのは、裏を返せば、「アラフォーともなれば次の世代の若者へとバトンを渡し、新陳代謝を繰り返していく街」ともいえる。

町内会に加入しているような古くからの住人と、街に集う若者との間の接点は皆無で、住み分けが図られているといえば聞こえは良いが、プロトコルが違うので、お互いが双方何をしているのか皆目見当がつかない、というがリアルなところだろう。

そこには教育格差や業界の生産性、ひいてはセーフティーネット(いわゆる「溜め」)の有無なども顔を覗かせている。

当事者となっている人たちの経験に心を寄せ、耳を傾けるという機会もほとんどないというのが現状であり、仮設でしかないが、「エクイティの問題を中心に据える」という視点からは、「街に集まってくる若者が地域社会から周辺に追いやられ、転出を余儀なくされている」という見方もできなくもない。

町内会の担い手減少問題も、このあたりに問題解決の糸口があるのではないか。

(続く)

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