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おすすめの一冊『頭のいい人が話す前に考えていること』(後半_思考法編)

前回の記事では、本書籍の中で「前半_黄金法則編」についてまとめさせていただきました。今回は後半の「思考法編」についてまとめてみたいと思います。(前半のお話はこちら)

頭のいい人の、すなわち「知性と信頼を同時にもたらすための思考法」とは、どのようなものなのでしょうか。 早速みてまりましょう!

<おすすめの一冊>
『頭のいい人が話す前に考えていること』(後半)
安達 裕哉 (著)


知性と信頼をもたらす「思考法」

さて、前半では「知性と信頼をもたらすための”土台づくり”」のような指針が語られていましたが、後半ではより具体的に「思考法」の話が出てきます。大きく5つの思考法の話が紹介されていました。

「客観視」する思考法

ここでは逆に「話が浅い人」がどんな特徴を持つのかを考えています。このように紹介されていました。

<話が浅い人の特徴>

(1) 根拠が薄い
・確証バイアスと後知恵バイアスに自覚的ではない。
・自分と反対の意見や統計データを調べていない(正反対の意見を知った上で、自分の意見を主張できるかどうかが大事)。

(2) 言葉に鈍感
・問題と課題など、似て非なる言葉についてごっちゃにしている(その意味を分かって使っていない。なんとなく使っている。「主体性」とか「コミュニケーション」などの抽象的な言葉も、が何を意味しているのか定義をしていないと浅い人と感じられてしまうもの。

(3) 成り立ちを知らない
・その概念がいつ、どのような背景で成り立ったのか知らない。組織関連で言えば、心理的安全性・エンゲージメントなどの流行り言葉も、「みんな言ってる」だけで使うと考えが浅くなる。その時代背景や研究結果などを端的に、また網羅的に語れると深みが出てくると言えそう。

逆を言えば、上記の3点に気をつければ「話を深く感じさせられる」とも言えそうです。

「整理」の思考法

「分かる=分ける」などと言われますが、「理解している=整理できている」となります。では、”整理できている”とは、具体的にどういう行動をすれば、そのように伝わるのでしょうか?

(1) 結論から話す
・結論とは「相手が知りたいこと」のこと。もし相手が求める結論が類推できなければ、「ここでいう結論はなにか?」を聞いてしまうのも一つ(わかっている人であれば、きちんと理解してお伝えしたいのでここでいう結論とは何か教えてもらえますか?と聞けば返ってくるはず)。ここも相手主体のスタンスを崩さないこと

(2) 事実と意見を分ける
「相手が何と言ったのか(事実)」と「それに対してどう思ったのか(意見)」を混ぜないこと。20代の頃、事実と意見を混ぜて報告して「だから、お客さんは何って言ったんだよ?」とよく言われていた事を思い出しました(汗)

「傾聴」の思考法

整理する、とありましたが「相手の言いたいことを整理する」ことも重要です。そして、そのためのポイントが「肯定も否定もしない」「相手を評価しない」「意見を安易に言わない」「話が途切れたら沈黙する」「好奇心を総動員する」と紹介されていました。

確かに、話し方テクニックに振り回されつつ、テクニックだけでうなづち・あいづちを繰り返しても、話が噛み合わず、むしろ信頼を失うこともあるなあ、と思ったのでした。

「質問」の思考法

ここでは、Googleも使う「構造化面接」の話が紹介されていました。
質問の仕方も事実ベースで以下のような質問をすると、短い時間で本質的なことを理解することができる、と述べていました。

・「過去の行動を聞く」
・「仮定の状況判断に基づく質問をする」(仮に~だったらどうするか)
・「状況に関する質問をする」(どういう状況だったか?)
・「行動に関する質問をする」(その状況で具体的にどういう行動をしたか?)
・「結果に対する質問をする」(行動の結果、どのような変化があったか)

確かに、何かに付けてのこれらのことを理解しておけば、相手のことも表面ではなく、深く理解することができそうです。(急にやったら詰めているようになりますが、相手のことを知る上で練習してみたい質問ですね)

「言語化」の思考法

ここでは「言語化の習慣」についていくつか述べています。まず1つ目が、「コミュニケーションにおける最大のコストが言語化コストである」というお話。そして、「言語化コストを支払う側に回ること」が知性と信頼をもたらすポイントであると述べています。

たとえば、オンラインで仕事をしていても「相手にお願いしたいことを端的に言葉にしていメールする」のは、なんだかんだいって大変です。何が言いたいのかを言葉にする(=言語化する)のはコストがかかるからです。(”とりあえず電話する”人は、これをまとめて言葉にする言語化コストを避けて、相手に払わせようとしている可能性もあります。このコストを自分が積極的に払うようにすると、「あの人とのコミュニケーションはやりやすい」となるわけでです)

2つ目の習慣は「やばい、エモいなど使わない」というお話です。つまり、「自分がどういった感情、思考をしたのか丁寧に言葉にする訓練をする」ということです。やばい、エモい、ハンパないなどは、自分の内側で起こったそれらの感情や思考について、言葉にする努力が不要な表現です。

しかし、「言葉にする」とは、それらの思考や感情に敏感になり、相手に伝えられるようにすることともいえそうです。そのためにはボキャブラリーや表現方法も必要です。練習も必要です。ゆえに、読書ノートを書く、言葉にする思考訓練をすることが大きい、とのことでした。(自分も日々noteを書いていますが、実は論文の要約より、「何を感じたのか、何を考えたのかを言葉にするほうが難しい」と感じます)

3つ目として「ネーミングにこだわる」ことも紹介されていました。Twitterなど短い表現で言い表すのは訓練にもなりそうだな、と思った。

まとめ

この記事は、一度だけ読んだ本書を、巻頭に紹介されていた「話すたびに頭が良くなるシート」を見返しながら書いてみました。著者の方が宣言されていた通り、一度読んで「なるほどな」と思った「頭のよい人の話し方のポイント」が蘇ってきました。

本文のエピソードの一つ一つが練り込まれており、一度読んだだけで「具体例から導かれた抽象的な教訓」が、グサリと刺さるようになっているという証明だと感じます。

記憶に残るのは、「思い出した回数」または「インパクト」のどちらかと聞きましたが、本書でいえば「インパクトのある具体例を出している」ように感じます。そして、その学びの教訓とまとめシートが連動していることで、記憶が蘇り、意識して行動できやすくなっているのだろう、と思いました。

改めて「頭のいい人の話し方考え方」もそうですが、本書そのもののコンセプトからも大いに刺激をいただい次第です。わかりやすく、記憶にも残るように書ける様になりたい、と思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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