古い時代の音楽では長いフレーズでのレガートをかけると時代の雰囲気が出ない

古い時代の音楽、ここでは16世紀から17世紀あたりの音楽を演奏する時のことですが、その時代が香るような雰囲気にするためには、長いフレーズでのレガートをかけてしまうとそれが出なくなってしまいます。

音階を弾く時に、使える指使いも決まっています。親指をくぐして弾く、ピアノのスケールの指使いはほぼ使いません。

音は、2つ、あるいは3つの単位で小さなユニットをつくり、それらを連続をさせる時に香る、響きのうねのような陰影は、指使いから来ていますが、そもそも、これは「ことば」の発音とアクセントとつながりを持っているのですよね。

とても細やかな作り方をします。

指は、もうずっと、鍵盤に吸い付けるようにタッチします。

このタッチがなかなかに難しいのですよね。

子供のころ、「指一本一本、独立させるためにちゃんと鍵盤から離しましょう」なんて指導されること多いと思うのですが、このような運動が身についてしまうと、ルネサンスやバロックのころの鍵盤楽器に慣れるのにはかなり時間がかかってしまうでしょう。

指一本一本の独立は必要なのですが、その訓練は指を上に上げて鍵盤から離すのではなく。

生徒も指導者も、それはもうかなり根気と時間がかかる訓練なので、それに耐えられる人は少ないと思います。

私自身も、タッチについてはもうことある毎に、洗います。

そして、常にお手本となるような良い響きを持った音楽家の演奏に接することが大切ですね。

私にも、そういう演奏家はいます。

最近、見出だした演奏家ではドイツ人の古楽器鍵盤奏者の方で。

今年は、12月にクラヴィコードの演奏会の依頼を受けましたので、只今プログラムの準備をしているところです。

ルネサンスの曲を入れるのですが、まずタッチを洗いルネサンスの時代の響きのイメージを練り直しです。

このような有り難い機会をいただけて本当に心からの感謝と共に、じっくり丁寧に自分の足りないところも含めさらってゆきます。


お読みくださいましたみなさま、ありがとうございます😊




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