人肌恋しいとか言って。
先週までの夏の太陽は
どこに行ってしまったんだろう。
夜風はころっと顔色を変えて
もう秋の粧いで私の頬に触れてくる。
夏のキラキラしたときめきが過ぎ去り
夏だ!海だ!BBQだ!といった
陽の下で思い出を作れという
一種の脅迫的概念から解放された。
そうホッとする感覚を持つ私は
結局のところ根暗の出不精なのだと気付く。
日本人は春夏秋冬
何かにつけて恋をしようとする。
冬は恋人たち季節、
春は出会いの季節、
夏は恋の季節、
そして秋は、人肌恋しくなる季節。
コンビニまでの夜道を一人で歩き
少し冷たい風とぶつかると
ふと、少しだけ、ほんのちょっとだけ
誰かと手を繋ぎたいなぁと思う。
この人肌恋しさに任せて
「もう誰でもいいから」なんて思ってしまう。
ほんとは誰でもいいわけないんだけど。
もう誰かの隣で落ち着いてしまいたい。
そうやって私を少し弱くさせるのが、秋。
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