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ボックス&キック

ボックス&キックはキックボクシングエクササイズの事だ。五十二歳の運動の苦手な私、そのボックス&キックを一生のうちによもや体験することになろうとは思ったこともなかった。そのジムは昨年秋できたとかで、自転車で5分の距離だ。意外に近くにあったのに全く気付かなかった。
きっかけは全く関係なさそうな事。映画の字幕で有名な戸田奈津子さんの講演会。鹿児島国際交流市民の会の三十周年イベントだっだ。生の戸田奈津子さんに鹿児島でお会いできることは今回以外ないだろうと応募し幸運な事に当選した。当日は他に国際交流のイベントも用意されていてそのうちのひとつ「スウェーデン王国と国際結婚」にも参加した。鹿児島県の男性とスウェーデン女性のカップルがお子さん二人を連れて、スウェーデンの国について話され、代表的なお菓子「ココスブレ」を皆で作り、お茶「セーデル茶」を入れ、参加者で楽しんだ。
帰りに出口でチラシをいただいた。それが「ボックス&キック」の体験チケットだった。格闘技をみるのが好きな友人を誘うと、すぐに行くという。私は付き添いでと思っていたが、連絡すると、「新しい事に挑戦するのはいいことです。疲れたら休んでいいからあなたも参加しては?」との返事。それならと試しに行ってみた。
準備運動、柔軟体操して、ジャンプジャンプ、かるくその場で走る。その後二人組になって一人はグラブをつけてパンチ。もう一人は堅いクッションのようなプロテクターをつけて受け止める。
右パンチ・左パンチ、 その逆
右パンチ・左パンチ・右パンチ、その逆
右パンチ・左パンチ・右パンチ・右キック、その逆
フック、フック、フックと相手のパンチをクッションをつけて受け止める
サンドバッグ相手にジャブ・ジャブ・キック
右パンチ・左パンチ・右パンチとリズミカルに、胴体を動かし、手をしっかりのばすと何とも心地よい。
友人と私、習いごとはもうこれ以上増やせないと思っていたのに、この爽快感が忘れられずに、時々行くことになった。
先生はスウェーデン女性ヨハンナ先生。日本に来て三年目だ。体脂肪がほとんどなく青年のような鍛えられた体。朝夕トレーニングを欠かさないそうだ。スウェーデンではアマチュアの空手チャンピオンだったという。
 ジムはロープが張り巡らされたリンクに、サンドバックや呼び方はわからないが、パンチやキックの自主練習用にいろんな道具が、天井からぶら下がっている。フォームを見るためかあちこちに大きな鏡も備えてある本格的な練習場だ。
 今日で四回目、強さや速さ、キックの高さ、何でも自分の能力に応じてするので、上手な人と一緒でも迷惑にならないとことがいい。気兼ねなくできる。
 初めて参加した時は、その後三日程、経験したことのない疲れに襲われた。きっと普段は使わない筋肉を使ったせいだろう。こんな疲れは心地よい。疲れるほど体が動かせるのはありがたい。いろんなトレーニング法があって飽きずに続けられるのも良い。いつもジム内には音楽が流れている。自分の体の動きをその音楽に合わせて、うまく動かすことができると、本当に心地よく体が動かせる。体験して本当に良かった。
 それというのも戸田奈津子さんの講演のおかげと感謝している。戸田奈津子さんとは講演会終了後控え室を訪ね、握手してもらった。大きな温かい手だった。講演会の話しの印象に残る言葉「英会話は書くことが基本。書いていれば何とかなる。」を胸に刻み、早速英語日記を始めている。書けない日もあるにはあるが、生涯の日課にしようと思う。一日の講演会で英語日記とボックス&キックふたつの始まりの日となった。
 これからも縁があれば、これは私にはできないと思わず、挑戦していこう。これから出会う人や物の縁で、自分がどんな人生を歩んでいくことになるのか楽しみだ。(2010.10月に書いたものです)


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