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実技課題<デッサン表現>
この課題は、実技で、決められたサイズで描いた作品をまとめて画集を作る。
作品のモチーフはなんでも良い。デッサンでも漫画のようなものでも、平面構成でも良い。結構自由である。なので、卒業するまでに枚数を描き溜めて編集して提出することも可能だと思われる。テーマと、タイトル、それぞれの絵についてのキャプション、創作後の所感レポートが求められる。
以下、所感レポートより
テーマ:描きとめておきたいもの
タイトル:『C’est Moi』 わたし
自分の中で描いておきたかったものを集めて、描いていった。他の課題と並行していたので十ヶ月ほどかかった。50枚を目指したが、24枚の提出になった。
模写、母の写真、妹のアパルトマンや、妹の犬など、これまでいつか描きたいと思っていたものを、この課題で描き出すことができた。完成度はともかく自分では今の時点ではやっとここまで描いたという感じである。
武蔵美の短大ではグラフィックを専攻していたがデッサンは苦手だったので卒業したあとの数十年は真面目に描いたことはなかった。愛鳥を見送った三年前から、その姿を残したいと考えて、少しずつデッサンを始め、習いにいってみたりしていた。昨年、思いがけず、通信の学生になることになったので、もう人生も終わりの方になってきたわけだし、ここで今のレベルで真面目に描いてみようと考えるようになった。
芸術文化学科で論文の課題ばかりだったので実技の課題を楽しく感じた。卒業研究課題は新版画についてのレポートになる予定なので、母の若い頃の写真を見ながら、新版画の美人画風にしてみた。遠方に住む妹を思い出しながら描いたり、旅を思い出したり、母の人生を思いながら描くことができたのはよかったが、本の形にして見直してみるとまだまだ描き残しているところもあり、ここで終わりという見切りがなかなかできない絵が多く、完成において納得するまで描くことの大変さを感じた。画材は色鉛筆を多用したが、出来るだけ他の画材も使用した。今後とも気になるものがあれば描きとめて行きたい(633文字)
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課題を終えて:自分の画集を作るのは楽しい時間だったが、思ったより枚数が描けなかった。50枚を目指したが半分までしか提出できなかったのが残念だった。提出できる場所があるのは幸福だと感じた。評価はまずまずでした。