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<パッケージデザイン課題1>  

 パッケージデザインの課題は、楽しく進めた。身近な商品から一つ、自分の街の周辺で売っているお菓子などを一つ選んで、レポートを作る。

1.近隣のスーパーにて購入したレギュラーコーヒー

1)興味を持った理由:日頃、何気なく中身に納得しているためにずっと愛用している商品だったが、あらためてパッケージそのものとして見た時に、毎回習慣的に買っているせいか、やはりどことなく愛着が湧くような気がしたのと、シンプルで静かなイメージのあるデザインについて、もう少し何かが足せないだろうかと考えたため、この商品をレポートの題材に選んだ。商品を買うのは、その中身が必要なのであって、パッケージが気に入ったからといって、食べたくも無い商品や、まったく必要がない商品の場合は購入しないだろう。子供が購入する場合や、親が子供のために購入する場合、パッケージに使用されているキャラクターを子供が好きだからという理由で、その商品を買う場合は多くあるだろう。大人の場合、例えばそのキャラクターのコレクターのような感じならば購入もあるだろうが、初めて購入する場合はともかく、包装を特に注視して購入しているだろうか、という疑問も湧いた。

2)この商品はアイスコーヒー用のレギュラーコーヒーで、レギュラーコーヒー、およびコーヒー豆の棚に並んでいた。他のパッケージがベージュや茶色などの暖色系のパッケージで、他のは白地だった中で、一つだけ寒色系のパッケージでよく目立っていた。そのため、買いに行って探した時、欠品の場合はすぐにわかった。アイスコーヒーの豆ということで、夏には棚に並んでいても、冬にはない場合があったので、冬になる前に見つけたら、多めに購入する癖がついていた。

3)購買層は、コーヒーをレギュラーコーヒーマシンおよび、フィルター、ドリッパーで淹れるお客であるので、一般の大人を想定していると思われる。値段は、このところのさまざまな食品の高騰に関わらず、360g入りで298円であるので大変に助かる。

4)パッケージに使用されている素材はしっかりしたプラスチックの袋である。コーヒーバルプが正面上についている。中身はレギュラーコーヒーの引いた粉で、パッケージにも粉と記されている。

5)中身の保護については、粉が漏れないようにしっかりと密閉されているのと、コーヒーバルブを設定しているので、「挽き立てのコーヒーから発生するガスを袋の外に逃します。また外の空気を弁の働きにより遮断し酸素の侵入を防ぐので、いつでも新鮮なコーヒーがお楽しみいただけます」とのことである。大抵のレギュラーコーヒーで真空パックではないものはこのようなバルブが付属している場合も多い。

6)袋の表面加工はツルツルしている。商品の正面にはアイスコーヒーブレンド、を英文字で記し、豆と、アイスコーヒーのイラストを小さく添えている。商品名の上部に[Always Refreshing at Home]とあり、直訳すると、家でいつでもリフレッシュとなるが、どのようにしてこの言い回しを決めたのか、英語の表現としてはどうなのか、合っているのかはよくわからない。コーヒーを飲むことをリフレッシュと捉えるのか、謎である。コーヒーブレイクの意味なのかもしれない。その上にさらに小さいフォントで、深煎りだからホットカフェオレでもおいしい、と書かれている。私はこの粉をいつもホットで飲んでいたのだが、今回パッケージをあらためて眺め、初めて発見したので、それは本当にささやかに付け加えられているように思えて、もう少し、この辺りをアピールしても良いのではないかと感じた。裏面に返すと、「テイストチャート」、「中細挽き」、「特殊バルブ付き包装」、「おいしい淹れ方」などの項目があり、それぞれに説明がある。「テイストチャート」は、豆が五つ並んだ小さなイラストで、苦味、酸味、コクの濃度が示されている。このアイスコーヒーは、苦味が五、酸味が一、コクが四である。そのしたにまた、イラストで、酸味と苦味の濃度とその呼び方が説明されている。ライトの反対がイタリアンであると、ここで購入者は知る。「おいしい淹れ方」については、これも小さなイラスト付きで1〜4まで丁寧に説明している。最後に「ご注意」として、インスタントコーヒーではないこと、開封後の扱いについて、美味しく飲めるための注意を促している。
 また、プラスチック包装に付いている、リサイクルマーク、「プラ」はこのパッケージにも付いている。

 全体としては、特別に棚で目立つような商品ではないし、アイスコーヒーと書いてあるため、ほとんど夏にしか売っていない。レギュラーコーヒーを常用している筆者は、あれこれとコーヒーの豆を試していて、この商品については試しに購入した最初からホットで飲んでいたのだが他の豆と比べると、コストといい、商品のレベルといい、外のコーヒーショップで飲むのと引けを取らないと感じた。

 パッケージにもう少し、その要素が伝わるような、例えばシンボルマークなどをデザインして表面に飾っても良いのではないかとも感じられたが、しかしこのひっそりとしたデザインが、コストを抑えているような安価な印象も与えているようにもとれるので、商品が売れているとしたら、このままのデザインが良いのかもしれない。


2.圏央道厚木パーキングエリアにて購入、「湘南ゴールドスティックケーキ」

1)興味を持った理由:地元の特産品で、最初に考えていた商品は「江ノ電サブレ」であったが、以前に売っていたはずの近隣のショッピングモールやスーパーなどに探しにいったところ、どこにも見つけられなかった。なぜなら販売元が一年前に閉店していたからである。大変残念だ。

 そこで、このレポートで紹介したいような地元のお菓子を探し回った結果、この「湘南ゴールドスティックケーキ」がやっと見つかった。他にもシラスを煎餅にしたものや、タコ煎餅などが駅前にも売っていたのだが、パッケージにも中身にも魅力を感じなかったため、地元のお土産を販売していそうな場所を探して、藤沢市から、いろいろ回って、厚木のパーキングエリアまで出かけ、この商品と出会った。厚木で、湘南のお土産を売っているのは少し違うように感じたが、この圏央道の南が茅ヶ崎と藤沢に繋がっているため、置いているようだ。

2)この商品は、それだけが手前のコーナーで売っていて、棚に他のお菓子と一緒に並んではいなかった。場所が厚木で、湘南を唄った商品なので、一応目立たせようとお店の人が考えたのかもしれない。他にも川越のさつまいも饅頭みたいな商品が単体で、コーナーで並んでいた。それだけのコーナーなのでよく目立っていた。

3)商品のターゲットは、パーキングエリアで休憩をしてゆくお客さんである。お菓子なので年齢層は広く、またパッケージも可愛らしさとわかりやすさがあるので、子供にも目に留まりやすいのではないかと思われた。また価格も千円以下であるのでちょっとしたお土産にしやすい。

4)パッケージの材質はボール紙の箱である。中身のスティックケーキはプリント付きの透明プラスチック包装だった。それは中のケーキが見えるようにデザインされていた。清潔感を感じられた。

5)プリント付きの透明プラスチック包装は、張りのあるもので、細長いケーキを折れないように包んでいた。箱は折り方の上下にカーブがあり、通常の長い箱の形ではないが、安定性はあり、スティックケーキを壊さないように設計したのだろうと思われた。

6)表面加工は、多少艶のあるプリントになっている。湘南ゴールドの実は、食べたことがあるのだが、かぼすのような大きさで、レモンのような酸味に、みかんの甘さが加わっていて、爽やかな味わいである。その雰囲気を、プリントのイラストがよく表していると感じた。

 湘南のイメージを海とヨットとかもめ、茅ヶ崎の烏帽子岩、藤沢の江ノ島のイラストで表現している。私が知っている湘南ゴールドは実はそれほど大きくはない。茅ヶ崎で農業に携わっていた友人から分けていただいたものだった。茅ヶ崎のイメージが大きかったが、このパッケージには江ノ島が付いていたので、藤沢市でも栽培されているのか、それとも「湘南」というイメージを前面に出すために江ノ島のイラストを載せたのかは不明である。ただ、江ノ島近辺では、私が行った店ではこのお菓子を見かけなかった。しかし、箱の裏面を見ると、販売者は静岡県であった。

全体としては、黄色と白のツートンで明るく健康的なイメージがあるのはとてもわかりやすく、果物を使ったお菓子であるというのをよく伝えていると感じられた。湘南ではないところで売っていたので、湘南でも売って欲しいものだ。

7)さらに魅力のあるパッケージにするとしたら、湘南ゴールドをイラストだけではなく、写真も加えてみたら良いのではないか。スティックケーキの写真が使用されていて、中身がどんなものかはよくわかるのであるが、イラストは可愛くないわけではないが、これだけだと、かぼすやキンカンにも見えなくもないので、写真でなければ、もう少し、ボタニカルアート風のイラストがあって、その横に、箱裏面に説明のついている、主人公である湘南ゴールドについての由来があると良いのではないか。

商品は、この6個入りと、もう少し多く入った化粧箱のものがあった。厚木のパーキングエリアでは目立っていた方だが、他のショッピングモールやもう少し派手な菓子箱と並んでいたら、地味なお菓子箱に見えなくもないかもしれない。無難で、誰でもわかりやすいデザインであるが、もう一つ踏み込んで、黄色い蜜柑についてもっとアピールしても良いのではないかと感じた。

さらに、もしも自分が、このお菓子の企画について意見を言えるとしたら、まず、お菓子そのものを、スティックケーキという形をやめて、丸い小さなミカンのような形にする。そして、黄色い実を箱の形にデザインし、子供が持てるような小さな手提げ型パッケージにしたらどうなのだろうかと考えた。そうすれば、もっと、この小さな蜜柑である湘南ゴールドの可愛らしさが出るのではないかと思われた。

課題を終えて:商品を選択し、観察し、商品の意図や、ターゲットなどを考察し、レポートを作った。自分がもしこの商品の作り手だったらと考えながら進めることができたことが面白かった。評価はまずまずで、先生の感想も穏やか、スムーズに終えることができました。

追加:現在のこのコーヒー豆の価格は上がっています。


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