何は無くとも、賑やかな
「大鳥居は改修中、残念でした」
「いやいや、こっちの姿の方が滅多に見られないでしょ? ラッキーだったよ」
広島県厳島(宮島)。
日本三景「安芸の宮島」のシンボルたる厳島神社の大鳥居は、丸々二年がかりの改修期間中……だったけど
東京からやってきた妹は、相変わらずのポジティブシンキングだ。
「せめて何か行事でもあればねぇ……舞楽とか」
「まぁ、急にできた休みだったし、ほどほどの混み具合で済むから逆にちょうどいいよ」
確かに、宮島の風情を味わうには混み過ぎていない方がいいかも知れない。
「それにさ、楽しみはちゃんとあるじゃんか」
ほどよくレトロな表参道商店街の店々を見ながら妹は言う。
焼きガキ、あなごめし、お好み焼きにソフトクリームなどなど。
吟味して食べないと、すぐに胃の限界がきて
「あれも食べたかった!」と後悔する羽目になりそうなグルメの数々。
舞楽の鼓は鳴っていない宮島で「さぁ! 食べるぞ」と妹の喉鼓が鳴る。
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