娘がいる、それだけで私は無敵だ
私は幼少期から憧れていたCAという職業についている。
英語が好き
空が好き
たったそれだけの理由で、
高校、大学、部活など大きな選択肢から
細かな選択肢までほぼ全てを
「CAになるためにはどの道が最適か」
を軸に選んできた気がする。
実際に夢を叶えた後のCA生活を今思い返してみると、
本当にがむしゃらで、精一杯で、ギリギリの毎日だった。
大きな軸であった夢を叶えて分かったことは、
「叶えた後の人生を想像しておくことの大切さ」である。
私はCAになった後のことを何も想像していなかったし、
夢を叶えた後、次はどこへ向かって進んでいくのか、
どんな人間になりたいのかがまるで決まっていなかった。
だから仕事をなんのために頑張っているのか、なんのために命を削っているのか、本当に分からなくなって身体も壊した。
家族の人一倍の応援、期待はもちろん感じているが、
自分の為だけに頑張るにはハードすぎる仕事である。
こんな人間になりたい、
こんな風に成長したい、
CAという職業を通して次こんな夢を叶えたい、
今なら全てに答えられる。
妊休、育休という人生で最も長くゆったりとした時間を得られたお陰で、
自分とじっくり向き合い、語り合い、導き出せた。
仕事をがむしゃらにこなしていたあの時には
気づこうともしなかった疑念も沸いてきたりして、とにかく初心に戻って考えられた。
また自分のためだけに頑張るのではなく、
娘という存在が私を無敵にしてくれている。
今なら、どんな理不尽なお客様やクルーと接してもきっと
「いや私には娘という銀河一大切な宝がいますから。人間を0から立派に育てていますから。」と渾身のドヤ顔で跳ね返せる気がする。
どんなに朝が早くても、24時間起きることがあっても、どんなに骨の折れるイレギュラーに遭遇しても、
娘のために頑張っているのだと思える。
こんな有難いことはないと思う。
仕事にしか生きられなかった20代とは違い、
私には家族の時間があり、家庭や育児という守るべき環境が他にあるということ。
きっと、あの時がむしゃらで感じ取れなかった幸せを、より噛み締めながら仕事できたら
もっと楽しいだろうな、とワクワクしている。
あんなに離れたかった職業なのに、
今ではこんな風に思えていることが信じられない。
この気持ちを忘れないように、
この執筆を振り返り、大事にしていきたい。