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【名曲紹介】スピッツ「チェリー」が描く普遍的な感情想起

世代間を超えて、未だに愛されつづけていますね。

「私がどんなクリエイティブを作りたい?」と問われたとき真っ先に答えるのが「普遍的で人の心や感情を豊かにしてくれるもの」です。

普遍的なものは、聞く時々、聞く人によって感じ方が変わるのでこれが本当に面白く奥深いんです。

マサムネさんの歌詞は抽象的とも曖昧ともやや違って、「あれ?これどういう意味だろう?」と、考えたくなる言葉選びが非常に巧みです。

非常にプリミティブで、意味があるような無いような、考える余地が残っていることが魅力ですよね。

そんな「チェリー」はまさに私が憧れる作品の一つです。

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チェリー」は、日本のロックバンド・スピッツの楽曲で、13作目のシングル。1996年4月10日にポリドールより発売。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

はじめに

1996年にリリースされたスピッツの「チェリー」。シンプルな旋律と優しい歌声に乗せられた言葉は、青春のきらめきやほのかな別れ、そして未来への期待を柔らかく映し出します。

音楽が好きな人なら一度は耳にしたことがあるこの名曲は、どこか甘酸っぱく、どこか切ない。でも希望に満ちているようは私は感じます。


1.“チェリー”というタイトルが運んでくれる新しい一歩

ボーカルの草野マサムネさんは「チェリー」という言葉について、「何かから抜け出す、出発するようなイメージ」と語っています。タイトル通り、この曲には「旅立ち」や「未来への希望」が、ささやかながら力強く描かれています。

ちょっと気恥ずかしい、もどかしいタイトルですよね。


「君を忘れない 曲がりくねった道を行く」

という印象的な冒頭は、過去の大切な人や思い出を抱きしめながらも前へ進む姿を象徴。

朝日に照らされるような

「産まれたての太陽」

や、目的地まで続く

「夢を渡る黄色い砂」

が、確かにそこにある新しい未来を感じさせてくれます。



2.“君”が映す、かけがえのない青春のきらめき

歌詞に登場する「君」は恋人や友人、あるいはかつての自分自身など、聴き手によって姿を変える存在です。

今の私にはかつての自分自身、挫折した経験、それでも、もちゃもちゃ頑張ってた自分を投影することが出来ました。

「二度と戻れない くすぐり合って転げた日」

というフレーズは、無邪気な青春時代の一瞬を切り取ったかのよう。
ときには甘酸っぱく、ときには誇らしい、そんな青春の思い出が鮮やかに浮かび上がります。

クリエイターとしてそれなりに評価もされていたので、謎の自信でひたすらに頑張ってました。

「いつかまた この場所で 君とめぐり会いたい」

という言葉は、誰かとの再会を願う気持ちでもあり、同時に過去の自分自身との対話を願う響きにも聞こえます。純粋な感情そのものが「君」として描かれている可能性もあり、そこに自由な解釈が広がるのです。


3.失恋の痛みと、そこから芽生える優しい希望

「チェリー」は、失恋ソングとして捉えられることも多い一曲。

「こぼれそうな思い 汚れた手で書き上げた あの手紙はすぐにでも捨てて欲しいと言ったのに」

という歌詞の一節に、思わず胸がきゅっと締めつけられるような人もいるでしょう。恥ずかしさや拭いきれない後悔、そこから次へ進もうとする微かな意志——切なさと前向きさが交錯するところに、「チェリー」の魅力があります。

私はものづくりへの才能の限界を感じる、そんな想いを重ねました。

「愛してる」の響きだけで強くなれる気がした…

というサビのフレーズは、愛という概念が人の心を前へと推し進めるエネルギーになることを示唆します。

それでも頑張れるのは、ものづくりへの愛です。
今の私がものづくりをする人たちを支えられる原動力です。


4.青春の儚さと、駆け抜けるような時間の流れ

「少しだけ眠い 冷たい水でこじあけて 今 せかされるように 飛ばされるように 通り過ぎてく」

というフレーズは、青春のスピード感を見事に表現しています。

当事者のときは分からなくても、振り返ると驚くほど速く感じる時の流れ。それは人が大人になる過程で必ず味わう、独特の切なさかもしれません。

急かされるままにだいぶ時が過ぎていったんだなという切なさを感じます。

そして

「どんなに歩いても たどりつけない」「 心の雪でぬれた頬」
「悪魔のふりして 切り裂いた歌を 春の風に舞う花びらに変えて」

という印象的な一節。

過去の苦しみや悲しみを、美しい思い出に変えて進んでいく。その姿勢がまるで、冬を乗り越えて咲く桜のように感じられます。

私はこのあたりは本当に大好きです。

ここまでのちょっと切なくなりつつ、それでも強がってカッコつけて無理していた辛さが、とても華やかな気持ちになって、青空と桜の花吹雪が見えるような晴れやかな気持ちに変わっていく感覚です。


5.解釈は無限に広がる、“チェリー”の魅力

スピッツの歌詞はしばしば抽象的といわれ、聴き手の人生や感情を自由に投影できるように作られています。「チェリー」も例外ではなく、恋愛から友情、自分自身へのメッセージや人生の旅そのものにいたるまで、多面的な解釈が可能です。

また、草野マサムネさん自身が歌詞の解釈について多くを語らないスタンスであることも、曲の普遍的魅力につながっているのでしょう。

だからこそ、年代や時代を越え、強く愛され続けるのだと思います。

2023年7月26日、Billboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数1億回を突破した。なお1億回突破は90年代の楽曲としては史上3曲目であり、1億回突破した楽曲の中ではリリースが最も古い楽曲と報じられた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

おわりに

「チェリー」に描かれたのは、私たちが持っていた柔らかい希望と、少しずつ大人になっていく過程で抱える不安。そして未来への期待。そのすべてが溶け合いながら、音の中で桜の花びらのように美しく舞い散っています。

あなたにとっての「君」は、果たしてどんな姿をしているでしょうか?

解釈は自由です。その胸の奥にある“かけがえのない想い”を、思い出してあげてください。

今がもっと豊かな気持ちになれるはずです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。この記事が、もしも何かの役に立てたり考えるきっかけになれたら、スキなどリアクションを気軽にいただけると嬉しいです!

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