さくらの空
不思議なもので、
桜が咲くとなぜかほっとする。
沈みがちだった気持ちも浮上する。
それだけ桜には力があるのだと感じる。
今日は朝から雨が降ったりやんだりの
あいにくの曇り空。
ようやく開きはじめた蕾を濡らしていく。
でも明日は晴れ間も出るらしい。
年度替わりの3月は
空の気分もコロコロ変わる。
人の気とどちらが気まぐれなのか、
わからなくてもそれが不思議と楽しい。
ぼくがふさぎ込んでいた時間の間
桜はじっと咲く季節を見据えていた。
その時間の交わりがもうすぐ咲いて溶ける。
和らぐ気持ちがそれを予感させる。