教養について
この本を読みました。
タイトル通り、国家を支えるには国民にしっかりした教養がなければならない、という訴えです。もろ手を挙げて賛成。
全編参考になる内容でしたが、特に印象的だったのは以下の部分。
(193ページ)
江戸末期、江戸に来たイギリス人達は、普通の庶民が本を立ち読みしている姿を見て、「この国は植民地にはできない」と早々と諦めました。「自国を統治できない無能な民のために我々白人が代わって統治してあげる」というのは植民地の論理でしたが、庶民が立ち読みする光景は本国にもないものだったからです。
江戸時代に書店があったのか、立ち読みできたのか、と細かいツッコミをいれたくなるところですが、何にしても日本人の『民度』の高さを表す逸話であろうと思います。
若者の書籍離れが指摘されて久しいです。『必要な情報はネットから取れるから』というのが彼らの考えのようです。確かに、断片的な情報をただ受け取るだけならネットで十分でしょう。しかし、一つのテーマについて深く学び、また、読んでる最中に自分でもそのテーマについて考えることができるというのが読書のメリットだと思います。機会あれば、若い人たちに『読書のススメ』を行っていきたいと考えている今日この頃です。