英語圏の4-7歳向けシリーズ Scholastic Acorn~[英語]多読のための読書ガイド 2022年4月号②~
児童書編 ~2022年4月号~
執筆:黛 道子(日本保健医療大学教授)
英語圏の4-7歳向けシリーズ Scholastic Acorn
昨年度に続き、今年度も読書力をつけるのに最適なやさしく読める本、 chapter books をご紹介します。
子ども向けですが、大人も意外に楽しめるものです。
今回ご紹介するのはアメリカの出版社が刊行している、Scholastic Acorn という英語圏の4 ~7歳を対象にした読み物シリーズです。
大人にもよさそうな2つのサブシリーズを選んでみました。
chapter books というより LR(Leveled Readers)というべきですが、まずはやさしいところからスタートしましょう。
(1) 読みやすいホラー短編 Mister Shivers シリーズ
最初にご紹介するのは、Mister Shivers というシリーズ。
これまでこのくらいの簡単なレベルではあまり見なかったホラーの短編ものです。
『Beneath the Bed and Other Scary Stories』 (Scholastic Acorn: Mister Shivers Series)
表題作は、クラスメートにけしかけられた少年が、丘の上にある幽霊屋敷を妹と見に行く話です。
薄気味の悪い家の階段を上がり、屋根裏の寝室に行くと、暗い部屋のベッドの下には……。
巧みな語りと怪しげな挿し絵につられて、つい読んでしまいます。
ほかに 4 編のコント風のホラー物語が入っています。
現在、 このシリーズは 3 冊が刊行中。
(2) ご近所さんとのほのぼのストーリー、ブタの Poppleton シリーズ
もうひとつの Poppleton シリーズは、多読の定番ですので、すでにおなじみの方も多いかと思いますが、 久しぶりに読んでみたらやっぱりよい本で、あらためてご紹介したくなりました。
ブタの Poppleton とご近所さんとの心温まる物語です。
『Poppleton and Friends』 (Scholastic Acorn: Poppleton Series)
3 章だてになっており、ブタの Poppleton が友だちと海に出かけたり、乾燥肌を何とかしようとお隣りさんに助けを求めたり、長生きによいというグレープフルーツを苦手なのに無理やり食べたり……。
どれも他愛もない日常を描いた物語ですが、Poppleton の周りにはいつも素敵な出会いがあり、支えになってくれる友がいます。
ほほ笑みに満ちた温かい人生ですね。
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