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「どんな魔法も使う人次第?」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

本記事は、英語学習誌 ❄『多聴多読マガジン』❄ の連載「多読のための読書ガイド」からスピンアウト掲載したものです。 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介しています。


ファンタジー編 ~2025年02月号~

執筆:石黒 恵介 (会社員)

どんな魔法も使う人次第?

今回はいろいろな魔法が登場するシリーズを紹介します。

「Maggie Sparks」シリーズでは、物語の舞台は現代ですが、Sparks一家だけは魔法が使えます。

主人公のMaggieも気持ちがたかぶると魔力がたまり、魔法で姿を変えたり消したりすることができます。

ただし、呪文を唱えて杖を一振りすれば何でも思い通りに……とはいかず、毎巻、自分の魔法に振り回されてしまう展開となります。

シリーズを通して、自分の気持ちに向き合うことの大切さがコミカルに描かれています。

「Starfell」シリーズでは、シリーズ名にもなっている世界“Starfell”が物語の舞台です。

魔法使いの血を引く者はある年齢になると一つだけ魔法が使えるようになります。

開花するまでどんな魔法かわからないため、作中ではあたりはずれのくじのような扱いとなっています。

主人公のWillowは「なくしたものを見つける」というどちらかと言えば「はずれ」側の魔法の持ち主なのですが、本作では一転して世界を救うキーパーソンとして活躍します。

本シリーズはUS・UK版のエディションがありますが、書籍では挿し絵のあるUK版がおすすめです。


(1) Maggie Sparks and the Monster Baby (Maggie Sparks Series #1)

著者 Steve Smallman & Esther Hernando
出版社 Sweet Cherry Publishing
総語数 約4,500 語
YL 2.5-3.0

Maggieはいたずら好きな女の子で実は魔女。

この日は留守にしていた両親が、生まれたばかりの弟を連れてようやく家に戻ってきた。

弟なんてほしくなかったんだけどな。

どこへ行っても赤ちゃんだからと弟ばかりがちやほやされて、あまりいい気がしない。

心のモヤモヤを解消すべく、得意の魔法を使ってあの手この手で両親の気を引こうとするが、思い通りにいかずかえって両親を困らせてしまう。


(2) Starfell: Willow Moss and the Lost Day
(Starfell Series #1)

挿し絵があるUK版の表紙です↑
著者 Dominique Valente
出版社 HarperCollins Children’s Books
総語数 約40,000 語
YL 4.5-5.0

Willowは魔女一家の3姉妹の末っ子で「なくしたものを見つける」魔法が使える。

派手な魔法を使いこなし旅商として各地を巡る母や姉らとは違い、普段は村人相手に小遣い稼ぎをするパッとしない毎日。

そんな彼女の元にある日Starfellでも指折りの魔女Moregが姿を現す。

人々から「前の火曜日」の記憶だけが抜け落ちてしまっていることを聞き、失われた火曜日を取り戻すため協力することに。


US版の表紙はこちら↑


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【特集】英語キーワード150で読み解く
「どう変わる? アメリカと世界2025」

トランプ大統領が「MAGA(Make America Great Again)」を掲げ、再び政権に復帰しました。その影響はアメリカ国内にとどまらず、世界全体に広がることが予想されます。

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本特集では、上記の5つの視点に基づき、decoupling(関係断絶)、climate justice(気候正義)などの150の英語キーワードを通して、トランプ政権の政策がもたらす世界の変化を予測し、考察します。

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