「Cynthia Rylant : 始まりの季節に」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~
児童書編 ~2024年04月号~
執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師)
Cynthia Rylant : 始まりの季節に
今号から新しく担当いたします。
今年度は作家別におすすめの作品を紹介していきます。
日本の4月は厚いコートを脱いで外に出かけたくなる、始まりの季節ですね。
そんな季節にぴったりの、心が洗われるお話を数多く書いているシンシア・ライラントから始めましょう。
ライラントは1954年、アメリカのヴァージニア生まれ、Missing May で1992年度ボストングローブ・ホーンブック賞、1993年度ニューベリー賞を受賞している児童書、絵本作家です。
おなじみのHenry and Mudge、Poppleton、Mr. Putter and Tabbyシリーズなど、いずれも動物が多く登場し、自然の美しさとともに温かい心情が繊細な筆致で描かれています。
今回は少しファンタジックなライラントの世界をお楽しみください。
God Went to Beauty School は、神様が地上で体験した様々なことを詩の形式で描いています。
The Van Gogh Cafe では、このカフェで起こる不思議な出来事が描かれています。
(1)『God Went to Beauty School』
神様が自分が創造した人間の世界で、いろいろなことを体験します。
タイトル通り美容学校に入ってネイルアートにはまったり、ケーブルテレビに加入したり、映画を見たり、ボートに乗ったり……。
すべてに驚き、感動する、とてもかわいらしい神様です。
最後の詩で、なぜ神様が人間の世界を体験しに来たのか、深い理由がわかります。
この世界に責任を感じて苦悩する神様を、私たちが救わないといけないかもしれません。
(2)『The Van Gogh Cafe』
カンザス州の元劇場の建物の片隅にあるカフェでまるで魔法のような不思議な出来事が起こります。
このカフェのオーナーはマークと10歳の娘のクララ。
このふたりがカフェを訪れる客を静かに見守ります。
老スターが昔の友を待ち続ける切ない話や、客にもらった魔法のマフィンが小さな子どもたちを元気にする話など。
壮大な魔法ではないけれど、不思議で温かい出来事が、あなたをこのカフェに誘うことでしょう。
『多聴多読マガジン4月号』発売!
4月号の特集1は「アクティブ英語多読のすすめ」です!
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2023年に旋風を巻き起こしたChatGPTを代表とする「生成AI」を利用し
たツールたち。みなさんは使いこなせているでしょうか?
2024年2月現在ではさらに強力かつ使い勝手の良いツールへと成長しています。特に音声認識や音声応答に対応したことで、より一層英語学習に役立つようになっています。
ぜひこの機会に生成AIを英語学習に活用してみてください。
英語スピーチはエド・シーラン、映画スターインタビューは『哀れなるものたち』主演のエマ・ストーン。
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