24時間365日繰り返される”セルフトーク”―あなたの人生は常に改造し続けられている

世の中には、ありとあらゆる医療、心理療法や身体的アプローチの技法がある。

そして、その中でも、今までの記事でも何度か書いているが、催眠療法というのは、潜在意識(ひとや人の人生日常の実に9割以上を占める部分)を扱う理論であるため、それら総ての技法、理論に根底で繋がるものだ。

世の中の多くの人は、ご自身の人生で身体や精神に何か自覚として不調を感じたとき、やっとのことで、専門家にかかろうとする。
日本人は、「病気(不調)になったら治すもの」という潜在的認識がまだまだほとんどである。

その考え方は、悪くはないのだが、しかしながら、それでは基本的に、遅い。

なぜなら、少々はっきり過ぎる説明をすると、人は病気や不調を起こしたときには、しかもそれを自分で自覚できる状態まで進行した時にはもはや既に、自分の中に、その「病気や不調をどんどん進行させる強力な力」をひたすら育て上げてしまっているからだ。

確かに世の中には不調を改善していくための、あらゆる手法、理論があるが、

一番こわいのは、

あなた、そしてすべてのひと、個々の中において、あなたが例えまるで自覚をしていなくとも24時間365日まるでテープレコーダーのように繰り返され続けている、自分への言い聞かせ「セルフトーク」なのである。

ひとの成長というのは、すべてが「暗示」「学習」である。
そして、学習というのは、=催眠、潜在意識で処理される(行われている)。
ひとの人生というのは、すべての瞬間が「自己暗示」によって成り立っているのである。これは私のセミナーや講座では基礎段階から、かなり頻繁に説明をすることである。この記事では少々込み入った細かい説明は割愛するが、自己暗示というもの自体が、「自分への言い聞かせ=セルフトーク」と思って頂いて良い。
ちなみに「では他人から言われたもの、教えられたもの、言い聞かせられたものや、周囲の環境から感じさせられたものなどはどうなのか」と言うと、例え他者から何か言われたものでも、それは決して他者からダイレクトに入るわけではないのである。これも私の講座などでは詳しく説明するが、外側の世界から入ってくるものも、実はすべて、自分(本人)がまずは受け止め、それを復唱するような形もしくは自分がその時に受け止めやすい・受け止めたい解釈に変えて自分の中に自分で言い聞かせる形で入るのである。催眠誘導ひとつとってもそうだが、一見、催眠療法士がひたすら言葉をかけて、催眠を誘導しているように見える。が、これらもすべて、実は、受ける側がその言葉を「聞いて(受けて)」それを自分の中に「自分で入れている」という工程を必ず辿っている。
すべての催眠は自己催眠であるし、人生そのものはどの瞬間をとっても実は、総てが自己暗示で成り立っているのである。

心理療法などやっていると、数時間の催眠をベースとしたセラピーで、セラピーの前後でクライアントさんが自分でも信じられないほど考え方が別人のように変化して楽になって驚いておられる様子を良く見るが、しかしながら、催眠というのは、「自己暗示」しかも、普段から自分で自分自身に、しかも自覚もしないほどあまりに当たり前過ぎるほどに定着しきっている自己暗示(セルフトーク)ほど、強烈激烈な暗示はない。

あなたはご存知だろうか。
ひとの意識(顕在・潜在どちらも)というものは、言葉かイメージで機能している。
そして、ひとというのは、外界を認知するために、外界そのものを見たり聞いたりしているのではなく、必ず言葉・イメージというフィルターを通している。言葉かイメージがあってこそ初めて、ひとは外界というものを捉えている。

ひとというのは、もちろん私も、もちろんあなたも、
24時間365日、ひたすらひたすら頭の中、心の中、身体の中で、
言葉とイメージが渦巻き続けているのだ。

そして、あなたがどんな言葉・イメージを用いて外界や自分を認識するか、その言葉・イメージのレパートリーやパターンは、生まれてから3年か4年か、遅くとも8~9歳頃までに学習する。

また、外界というのは、例え同じ環境にいても、その世界の見え方感じ方(捉え方)というのは、その人その人、個々の言葉・イメージの使い方(語彙やレパートリーやパターン)によってまるで変わると書いた。
そして、その捉え方が変われば、「自分自身」のその次の考え方や行動が(大半の場合本人は無自覚だが)変わり、それがために、次の外界で起こる反応がそれに応じて変化する。

つまり、はっきり言えば、
自分はなんだかなぜだか運が悪いことが多い、などと思っている人がいる。
私の人間関係はいつも変な人とばかり関わることになる、などと感じている人がいる。
これらもすべて、実は、あなた自身の潜在的に「自分が使うパターン」と決めている言葉・イメージによる「セルフトーク」であなた自身が周りやその進んでいく結果を決めていることに因る(催眠の領域で言えばこれは自己暗示、交流分析的に言えば人生脚本)。

スピリチュアルの世界では「引き寄せの法則」などと良く言われる。
彼らは言葉の上でわかりやすいように、例えば「心の中で思ったことは波動となって外側に現れ、外側に影響を与えて外側の環境や物事を引き寄せる」などと説明をするようだ…
そしてちなみに、これらは「スピリチュアル的に言われている」ことで認識の在り方がなんとなく躓いている人たちもいるが、昔の中国や日本、つまり仏教や禅の世界においても例えば「一切唯心造(いっさいゆいしんぞう)」という言葉で教えられている。あなたの外側の事象や存在は総て、あなたの「心(脳における言葉とイメージに因る翻訳解釈)」によってのみ作られているもの(つまりは心のはたらき)である、そしてそれに対してあなたがいわば”勝手に”起こした反応や言動行動態度によって、次の外側の事象を招いて(引き寄せて)いく。外側の事象をどう見るか、どう捉えるか、そもそも外側の世界を受け止めるあなたの心(潜在的認識パターン)の在り方ひとつで、全てが変わる。
そしてもちろんこの記事の最初から書いているように、心理学・科学においてもこれらのことについては、五感(身体)のしくみ、心のしくみで説明できる。もしここの理屈や意味についてこれ以上ご興味があれば、ぜひ私のワークショップや講座においでいただけると、知りたいことを知りたいところまで、お手伝いできると思う。

さて、この記事での話に戻ると。
つまり、「運が悪い」と思っている人は、決して「運の悪い星のもとに生まれた」だとか先天的な話ではない。あなた自身が、生まれてから成長過程でだんだんと、「外側をうまくいかない世界(自分と適正・適応がうまくいかない)であると”見る(解釈する)ための”見えかた」と「外界をどんどん敵に回し自分に不利なことが起こるように仕向けてしまう技術」をひたすら学び強化し続けてきてしまっているだけなのだ。
この記事の一番最初にも書いた「不調」もそうなのだが、往々にして、心身の不調を起こしやすい人や、自覚すらしにくいほどに慢性的な不調を抱えている人は、「不調を起こす」セルフトーク(人生脚本プログラム)を後生大事に持っている場合が非常に多い。

そして、幼い頃に身に付いたらそれが当たり前で育ってきてしまうため、自覚することができない。
空気があることが当たり前の中で生まれた人たちは、日々呼吸ができていることを不思議とも思わず自覚すらしない、
先天性運動失調で生まれた私の身体は、他の人たちよりどうやらバランスがとりにくかったり筋肉の操作や物を見ることに苦労していたらしく不利や苦痛を感じ続けてきたのに、30年以上それに気づきもせず(寧ろ別の問題だと思って)生きて来ていた、
などと同じ話である。

幼い時は、確かにあなた本人の意志(顕在意識)はまだ弱くあまりないので、自分でその言語・思考パターンやイメージパターンを自分の中で使うか使わないかなど選ぶ前からとことんすべて自分の中に取り入れてしまう。
特に、親や周りの人たちがそういう(外界が自分に不利に働くように仕組んでしまうための)セルフトークを持っていると、子どもは似た系統のものを寧ろ自分から進んでというほどどんどん取り込んで自分のものとしてしまいやすい。
ただこれは別に誰が悪い訳でもなく、あなたはあなたで、「この世で自分の身体を生かすため、生き抜くため」に、その時にまずはしがみつくことのできる手段にしがみついてきた、というだけの話なのだ。

幼い頃には、小さな身体では行動範囲も狭いし自分で食料などを得ることも困難であるため、生き抜くために選ぶことのできる手段は少ない。

しかしながら、成長して、このような記事の文章の文字なども読むことができるようになった大人のあなたは、「自分が何か生きづらさを抱え込むセルフトークを持っているのかもしれないな」とふと僅かにでも気付きさえすれば、その幼い頃に身につけて強化してきてしまったセルフトークであれ、はずす「選択をする」ことは、いつでも可能なのだ。

そして、日本にはまだ少ないものの、身に付いてきたセルフトークを外しご自身に適切な、人生や外界や何より自分自身とうまくやっていくことができるようになるセルフトークを身に着け直す手伝いをすることのできる専門家(今の世の中ではセラピストという領域に入るが)もいる。

冒頭でも書いているように、何より一番強烈で、それがあなた自身の人生にとって有効適切ではないものであった場合に何より一番怖いのは、あなたの中で24時間365日繰り返され続けている「セルフトーク(自己暗示)」なのだ。

そしてこれの方向性を修正していくためには、不調が起きてからや起きた時では到底遅い。
特に長年、気付かずにそれらを持ってきた人は、日常から気付いて少しずつそれを修正していく、それも絶え間なく、何せセルフトーク自体が24時間絶え間なく流れ続けているものであるので、それこそその分、日常のすべての行動言動に少しずつでも取り入れていくことや、素晴らしいセルフトークで生きている人のそばに少しでも行く、いる、ということで自分の人生の方向性にあらゆるチャンスをつかむことができる。
また、素晴らしいセルフトークで人生を過ごしている人というのは実は当たり前のように日常のすべてにいつの間にか取り入れられながらやっている(ある意味認知行動療法的な)ワークが、たくさん存在する。

預言者ともいわれあらゆる心身の療法を後世に残した、エドガー・ケイシーは
「ここに少し、あそこに少し、教訓に教訓を重ね、あなたがすべき正しいことを、毎日少しずつ行っていくのだ」
という言葉を残しているが、

その通りで、あなたの日常生活自体が、無自覚のうちにしかも気付きにくい形で、布の中にきめ細かく編み込まれた刺繍糸のような形で「あなたの心身に歪みを来し生きにくくなっていくよう」仕組まれてしまっている状態であるので、同じように僅かずつ少しずつ、その編み込まれた糸をひとつひとつ置き換えていく。ここに少し、あそこに少し、ああこの瞬間にも少し…と、
あなたがすべき正しいこと=あなたの人生にとって適切なこと、これはつまり、実は一番あなたが「あなたらしく」生きることができる、あなた自身の魂と回復力・すべての能力を最大限に解放させることのできる方法、なのだ。

そして、それを選ぶ自由は、今、あなた自身にある。


人によってはもしかしたら、幼い頃にそんなセルフトークを埋め込まれたのは親のせいではないか、環境のせいではないか、なぜ自分が動かなければならないんだ、などと思う人たちもいる。
しかしながら、ちなみに、それ自体が、自分を心地良い方向性に進ませないためのまさに”セルフトーク”、”プログラム”である。
確かに、幼い頃、あなたは方法を選ぶことができず、その場にあった方法を掴んだら、大人になってから何か不適応を感じるようなものとなった(と感じる)かもしれない。しかし、戦況が変わればとる戦術は変わる。いのち(動物)は常に、その時その時「自分にとって必要」なことをしているだけであって、あなたもあなたで、その時その場で「自分にとって」有利と(身体が)判断した道を、とってきたのだ。または、生きるために必要な命綱を、迷わず握ってきたのだ。これ自体、すばらしいことという以外、何物でもない。

そして、実は今も、同じなのである。
ついでにあなたの幼い頃にそのプログラムやセルフトークをあなたに教えてきた「親・養育者・周りの人たち」は、その人たち自身、その生き方しか持っていなかった。そして、自分に不利なセルフトークを、変えることなく自分自身に不利を引き受けながら(そして恐らく気付くことすらできずに)、来た人たちであって、この人たちはこの人たちの人生の責任は本人たちにある。
…また、セラピスト視点から少しだけ言うならば、この「セルフトーク(潜在意識に埋め込まれた人生脚本プログラム)を変容させ方向修正する方法」は、特に日本ではここ10年~20年ほどでやっと少しずつ言われてきたようなもので、あなた方の親・養育者の世代では、これを変容させたり手放す方法・可能性すらなかった。

だから、あなたは「親たちからおかしなプログラムを教え込まれ埋め込まれたせいで生きづらい生き方を強いられている」ではなく、
「親たちですら変える可能性、気付く可能性すらなかった、自分自身の人生を好転させ心地良く生きる方法を、自分はこのタイミングで選ぶことができる」のである。

ここで、自分に埋め込まれたプログラムのせいにして「自由を掴めない、行動できない」方を選ぶか、
それとも、「自分自身の意志と手で、自分のこれからの人生と日常を一瞬でも多く費やして自身で自身を不利に陥れているセルフトークを、常に素晴らしい自身の可能性をどこまでも拓き続ける自己暗示に変えていく」ことを選ぶかは、
本当にあなた自身の人生であなた次第、これこそがあなた自身の自由なのである。
サルトルの言葉をご存知だろうか。
「われわれの自由とは、今日、自由になるために戦う自由な選択以外のなにものでもない」


もし、あなたが、それでも周りにそんな素晴らしいセルフトークを持った人などいない(そもそも不利な脚本のプログラムを持った人はご自身、そういう人とかかわりを持たないプログラムを持っているので、いない・いることに気付かないことの方が多いだろうとは思う)、
動きたいが、どうしたらいいのかわからない、

という方は、

私もそのための専門家であるので、一度、お気軽にお話かけください。
あなたが自分の本当の自由を得るために、あなた自身に善い選択をし続けたい、
自身のたった一度きりの人生の可能性、極力拓き続ける方を選んでいきたい、という限り、
お手伝いします。

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