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映画「テネット」のセイター暗号 ~時間と運命のコントロール にこねこ vol.4

 2023年10月7日、テロ組織ハマスの高官は、イスラエルの攻撃を「アルアクサの波」と呼び、「イスラムの聖地アルアクサをイスラエルの侵略から守る」と発表しました。アルアクサはソロモン神殿があった場所に建てられたモスクであり、この攻撃はユダヤ教徒が第三神殿を再建する兆候に対する抗議の一環とされています。
 ソロモン神殿の再建には旧約聖書(民数記19章)などで細かい規定がありますが、2022年に生贄にする赤い雌牛(red heifer)が見つかり、神殿作りが始まるとされています。この生贄を燃やした灰はお清めのためになくてはならないもので、メシア到来の前触れや世界最終戦争と結び付いた象徴的な意味合いを持ちます。

 さて、今回は映画「テネット」に出てくるセイターの暗号について、考察しましょう。「テネット」は、時間を操作する技術と運命の不可避性を巡る複雑なストーリーで知られています。特に、物語の中心人物であるアンドレイ・セイターの計画は、終末論や世界の終わりを象徴する要素を持ち、黙示録に描かれる終末のビジョンと共鳴しています。


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