ハリー・ポッター ~ダンブルドアの禁じられた愛の秘密 ⑥
2024年9月27日、ハリーポッター・シリーズでミネルバ・マクゴナガル先生役を演じたマギー・スミスさんが逝去されました。ちょうど昨年9月27日、アルバス・ダンブルドア校長役のマイケル・ガンボン氏が亡くなられており、命日が重なるということに不思議な宿縁を感じます。ハリポタファンとして、心よりご冥福をお祈りいたします。
今回の記事は、「ハリーポッター 死の秘宝 part.1」で登場した、ゲラート・グリンデルバルトとダンブルドアのロマンスについてです。ハリポタシリーズでは、ほとんど印象に残らないグリンデルバルトですが、「ファンタスティック・ビースト」で主要な悪役となります。ファンタビをまだ見ていない方には少しネタバレが含まれるかもしれませんが、今後の映画鑑賞に支障がない程度に紹介していきます。
ハリポタに張られていた伏線
カエル・チョコレートのトレカ
第一作目「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ホグワーツ特急の中でハリーがカエル・チョコレートを開け、ダンブルドアのトレーディングカードを当てるシーンがあります。カードには次のような説明が記されていました:
この時点で、グリンデルバルトの名前がヴォルデモートよりも先に登場していたのです。ちなみに1945年は第二次世界大戦終結の年でもあり、現実世界との関連をほのめかしているようです。
ヴォルデモートのビジョン
ハリーが見たビジョンの中に、店から杖を盗む若い男にビジョンが出てきました。同じ男の写真が、ゴドリックの谷にあるバチルダ・バグショットの家に飾ってありました。ハーマイオニーが読んでいたダンブルドアの伝記にも彼の写真が…。ここでようやく、ゲラート・グリンデルバルトの名前が出てきました。
ハリポタの登場人物中、一番のイケメンが放つ存在感。すべてファンタビにつながる伏線だったのですね~。
ダンブルドアとグリンデルバルトの関係性
「ファンタビ」第2作目では、ダンブルドアとグリンデルバルトが「血の誓い」を立て、直接戦うことができないという設定が明かされます。そして第3作目では、ダンブルドアがグリンデルバルトに対して恋愛感情を抱いていたことを告白します。
作者のJ.K.ローリングは、ダンブルドアを同性愛者とした設定は、近年の多様性の潮流に合わせたわけではありません。同性愛に厳しい歴史を持つイギリスでは、中世から1967年まで同性愛は犯罪とされ、多くの人々をを差別・迫害してきました。ナチスの暗号エニグマを解読し、現代コンピュータの父とも称されるアラン・チューリングもその一人でした。彼の名誉回復がされたのは、なんと2009年のことです。そのようなイギリスで、ローリングが児童文学にこのテーマを内在させたことは、大胆な挑戦であったことがうかがえるでしょう。
ダンブルドアとグリンデルバルトの関係性
グリンデルバルトは、魔法界における新世界秩序を打ち立てるために恐怖と権力を追求した、闇の魔法使いです。このテーマは、ヴォルデモートに引き継がれる形でシリーズ全体を通して描かれています。
ダンブルドアは若い頃、グリンデルバルトに恋愛感情を抱き、彼の野心的な思想に共鳴していました。愛する人が「闇落ち」し、対峙しなければならない葛藤が、ダンブルドアの人生に影を与え続けたことを描き出しています。登場人物が異端者であるというストーリーは、現実社会の偏見や抑圧を映し出す鏡でもあります。これまでにない新しいファンタジーの魅力を感じさせる点も見逃せませんね。
※ファンメイドのMAD:ボーイズラブちっく😆
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