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印象深いことでも人の記憶は間違う

こんにちは!

こしあんです。

「私の記憶が確かならば~」なんてフレーズが過去にありましたが、私たちは結構間違っていろんなことを記憶しています。

そのため「あの時あーした、こーした」とケンカになったり、親が兄弟のエピソードを取り違えたりして、子どもにツッコまれるなんてことも起こります。

でも言った本人の頭の中で鮮明に思い出せるのに「間違っている事なんてあるのか?」と考えてしまいますよね。
そのためか、記憶違いをしていてもなかなか認めることが出来ずにいます。
私は記憶違いがなかなか認められず、後で相手に「すまんかったー!」と平謝りをする羽目になったことがあります。

そうならない為にも記憶が「間違う」ことについて話していきます。

【どんな記憶でも誤っている可能性がある】

「衝撃的な事は鮮明に憶えているし、間違うはずがない」と多くの人が考えます。
そもそも誰かに問いただされない限り、「記憶のこの部分が間違っていたかも?」と考えることはあまりありません。

たとえば、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件のことを鮮明に憶えている人もいるのではないでしょうか。

このような重大事件は長い時間が経ってからも、そのとき、どこで、だれと、何をしていたかなどについても鮮明に思い出せることが分かっていて、この記憶現象は「フラッシュバルブ・メモリー(閃光記憶)」と呼ばれています。
また、重大事件は報道などで繰り返し見聞きするため、記憶に長く残るともいわれています。

ちなみに、あなたはこのとき自分が何をしていたかはっきり覚えていますか?
私は昼休みに会社の食堂でテレビを見て、このニュースを知ったような気がします。

しかし、記憶が鮮明だからといって、それが正解だとは限りません。

心理学者のジェニファー・タラリコとデイヴィッド・ルービンが、これまで行われたフラッシュバルブ記憶研究と手法を変えて、対象者が持っている衝撃的な出来事の記憶と、同時期に体験した別の出来事の記憶とを比較した実験があります。

2001年9月12日、デューク大学の学生を研究室に集め、事件を最初に知ったときの状況について、詳しいアンケートに答えてもらいました。
そして、同時に事件の数日前に起きた出来事の中から、記憶に新しい個人的な体験を任意に選び、それについても書いてもらっています。

そして、1週間後、6週間後、32週間後に学生たちにその記憶を思い出してもらいました。
調査の結果、9・11であれ、個人的な体験であれ、あらゆる記憶が時間とともに不正確になっていました。
元の記憶から調査まで間が空くほど記憶は歪み、間違ったディティールが付け加えられたそうです。

その際、タラリコとルービンは学生たちに”自分の記憶の正しさをどの程度信じているか”を評価してもらっています。
彼らは、日常的な体験の細かい部分は次第に思い出せなくなり、そうなったら自分の記憶は信頼できなくなると理解していました。

あなたも他人に指摘されて「そうだったっけ?」と思ったことはないですか。
はっきり覚えていないことは、ツッコまれると自信がなくなってしまうことがありますよね。

しかし、フラッシュバルブ・メモリーはちょっと違います。
実際には時間とともに記憶の正確さが失われていたのに、自分の記憶は正しいと多くの人が強く信じ続けたことが分かっています。

また、心理学者の高橋雅延博士によれば、「閃光記憶が歪むのは、その後、何度も脳の『前頭前野』で想起され、再構成されることによるため」だそうです。
これは、元々「いつ」「どこで」といった情報は、出来事が記憶されたときに、ほとんど注意が向けられていないため、はっきり憶えてはいないけれども、それでも強引に思い出そうとする結果、情報源(ソース)を頭の中で探る能力である「ソースモニタリング」のエラーが起きるためだと考えられています。

脳の前頭前野が記憶を思い出すことは、日付のわからないパズルを集めて一つに組み上げる作業に例えられます。

たとえば、アメリカで同時多発テロの際、本当は白いネクタイをして会議中だったにも関わらず、書類を作成していた時につけていたストライプ柄のネクタイを誤って思い出してしまうことがあります。
しかも、重大事件の記憶は鮮明に感じられ、誤りだと気づくことがありません。
このように、思い出す度に自分の記憶と事実の間に隔たりができ、事実とは異なる記憶が作られていくことがあります。

私たちは、注意を向けたものしか見ることができず、鮮明に憶えていると思っている記憶も間違っている可能性があることを知らなければなりません。
この可能性に気づくことができなければ、誤った記憶や自分の思い込みで物事を判断することになり、本当は何が起こったのか分からなくなってしまいます。
この記憶の錯覚に陥らないようにするには、「どんな記憶も劣化する」という事を忘れないようにすることが大切ですね。


今回はここまで。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。


※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
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