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【業績絶好調】日本ペイントホールディングス
今回は「日本ペイント」をリサーチしました。
耳馴染みはあまりない会社ですが、日本の産業を支える世界有数の化学メーカーで、塗料分野では、世界第4位の規模を誇るグローバル企業です。
それでは、さっそく見ていきましょう〜
①概要
基本データ
企業理念:Enriching our living world through the power of Science + Imagination(サイエンス+イマジネーションの力で、わたしたちの世界を豊かに。)
事業内容:建設用(建築・土木構造物)塗料、自動車補修用塗料の製造および販売
設立:1898年
上場市場:東京プライム市場
時価総額:2兆6000億円
従業員数※:連結33763名 単体51名(平均年齢41.1歳)
平均年収※:1072万円
※会社四季報 2023年4集 秋号より
事業内容
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汎用塗料:建築用、屋根用、外装用塗料など
工業用塗料:機械部品、建築資材、鉄道など
ファインケミカル:表面処理剤、機能性薄膜塗料など
塗料周辺事業:接着剤、建設化学品、断熱材など
日本ペイントは、国内外で工業用・民生用問わず、様々な塗料を取り扱っており、世界第4位の塗料メーカーとしてその名を知られています。最も売上高が多いのは汎用塗料で、次いで自動車用塗料、塗料周辺事業があとに続きます。
主な製品としては、抗ウイルス・抗菌機能を持つペンキ『プロテクトン』、シリーズ累計60万戸を誇る住居用塗料『パーフェクトシリーズ』、自動運転用センサーに高精度で対応可能な路面塗装技術『ターゲットラインペイント』など様々なラインナップが存在します。
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②業績
直近の決算
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営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益
売上高の伸びが目覚ましく、2023年現在、2020年比で倍ほどに伸長しています。利益も順調に成長しており、業績は非常に堅調だと思います。成長の要因として、販売数量と単価の上昇や海外事業の好調が要因として挙げられています。
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貸借対照表(B/S)
続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1702389740216-jjpkM7dX7P.png)
流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高いほど健全。
固定資産が多いですが、中でも買収した会社のブランド力を示す「のれん」が9000億円と多額を占めています。日本ペイントでは近年、主にカザフスタンやオーストラリアなどの海外において企業買収を進めており、M&Aを通じて世界市場でのシェアを伸ばしていく戦略を採っています。のれん代はその影響で年々増えていることが読み取れます。
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損益計算書(P/L)
続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。
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売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業利益/損失:本業で出た利益/損失
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。
ものづくりをするメーカーの特徴として、売上原価>販管費となっていることが挙げられます。また、メーカーでは優良と言われる10%を超える営業利益率で、効率的なビジネスを展開していると言えます。
株価の動向
次に、直近5年間の株価推移です。
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日本ペイントの株価は、ビジネスパートナーであるシンガポールの会社から事業を買収した2020年〜2021年にかけて、大きく上昇しました。しかし、その後は下落しており、2020年前の水準に戻ってしまっています。注力している中国向け事業が、中国経済の減速の影響を受ける可能性があり、その点を投資家から懸念されているのかもしれません。
③社員の口コミ
最後に、社員クチコミサイト「openwork」より社員評価を見てみましょう。回答者数が少ない場合がありますので、あくまで参考値となります。
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平均年収が1000万円を超える日本ペイントは、「待遇面の満足度」が4.2点と最高です。一方、「人材の長期育成」や「社員の士気」が2点台半ばと低く、従業員の満足度が比較的低いようです。
④まとめ
以上、「日本ペイント」についてリサーチした結果、
・積極的にM&Aを進めるグローバル企業
・資産の中でも特にのれんが多い
・株価は2020年前後の低い水準で推移
・従業員評価は、待遇面は高いもののその他の点は改善の余地あり
でした。
今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。