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自分で決める楽しさを実感することで自主的な行動につながる

社員の自主性に任せて、責任の問題には目を瞑るのは成長が止まる会社、社員の自主性を信じて、責任の問題にも気を配るのが成長し続ける会社

サラリーマンと起業家との大きな違いは、自分で決定できるかどうかです。

  • この仕事をやるのか、やらないのか

  • 新商品の販売価格をどうするのか

  • 自分の年収をいくらに設定するのか

  • いつ休みを取るのか

業績や取引先等の関係で、すべてを思い通りに決定できるとは限りません。けれども、数ある選択肢の中でどれを選ぶのかについて、起業家は自己決定権を持っています。

一方で、サラリーマンの場合。

部長クラスになると一定の権限を与えられていますが、自己決定権はあくまで限定的です。

やりたくない仕事でも、社長から命令されればやらざるを得ません。

商品をいくらで売るかも、最終的には上司の決裁が必要というケースもあります。

給与は会社の給与規程に基づいて支給されるので、自分の希望する金額に届かないこともあります。

また、働き方改革が進んでいるとは言え、いつでも好き勝手に休める会社はまれです。

人はできるだけ自己決定権を持った方が満足度が高いと言われています。

そして、実際、数々のビジネス賞を受賞しているある会社では従業員の自己決定権を増やすために、「出勤・退勤時間は自分で選べる」「有休・公休も許可制でなく、自分の申告だけでOK」という制度を確立し、社員満足度を高めています。

私自身はできるだけ自己決定権を持ちたいと常日頃から感じています。しかしながら、多くの人と接していると、「自己決定権を持ちたくないのでは?」と感じることがあります。

ある仕事をやりたくないのは見え見えなのに、「やりません」ときっぱり断る訳でもなく、だからといって、積極的に取り組む訳でもない。

意見を聞いても、文句はたくさん出るけれど、「会社が決めてくれたらちゃんとやりますよ」というように、自分の意思を明確に示さない。

社長から怒られても「では、来週までにこの方法でやります!」とは言わずに、具体的な指示が出るまで黙っている。

自己決定権を持つことは、その結果として一定の責任を負うことになります。

やりたくない仕事を断ると、査定に影響する恐れがあります。自分の出した意見が賛同されると、その結果を問われます。自ら期限を区切ると、その日までに仕事を仕上げる必要が生まれます。

決めることの自由さとそれに伴う責任の重さを天秤にかけた時に、責任の重さに伴う苦痛を避けたいと思う人は少なからずおられます。しかし、社員が経営者の顔色を見ずに自主的に動く組織を作るには、社員に自己決定権を持っていることの楽しさを感じてもらう必要があります。

この点、前述の会社では、自分の勤務状況を自ら決められるということで、自己決定権を持つ楽しさを社員に実感させることに成功しています。

社員はその日は仕事が忙しいかどうかは関係なく、自由に休みを決定できるため、「次の休みまで仕事を頑張ろう」「今度はアメリカに旅行に行くので、それまでにお金を貯めよう」というように、「自己決定権の活用→仕事へのモチベーションアップ」を実現しているのです。

この場合、社員が自由に休みを取ることに伴い、仕事をどのように回していくかという責任については会社が背負っているというのがミソです。

つまり、この会社の場合

自己決定権を使うことに伴う責任は会社が負う
 ↓
社員は責任を気にせず、自己決定権を行使する
 ↓
自己決定権を使う楽しさを社員が実感する
 ↓
社員がより積極的に仕事に取り組む

という流れを作っています。

権利と義務は表裏一体。権利を使うことに伴い、義務が発生するのはまさに正論です。一方で、正論がそのままでは通用しないのがマネジメントの難しいところです。

社員に自己決定権を持つ楽しさを感じてもらうために、単に選択肢を増やすだけでなく、選択肢を増やしても仕事が回る座組みも整えましょう。

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