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【読書日記】『バック・トゥ・レトロ 私が選んだもので私は充分』ドミニック・ローホー
母国フランス、そして世界中でベストセラーとなったL'Art de la Simplicitéのドミニック・ローホーの著書。
読み始めると、心に響く言葉が溢れていました。印象的な文章を書き留めておこうとメモし始めたら、7ページも書いてしまいました。
心に残った言葉たち
さて、そんなメモの中から、いくつか特に心に残った言葉たちをご紹介したいと思います。
心から楽しむためには、自分がしっかりした一つの基礎の上に立っていることを感じなければなりません。人生を信じ、人生を自分のうちに持っていなければなりません。
シャルル・ヴァグネル『簡素な生活』
「日常」とは、私たちがもっとふんだんに持っているものです。
とはいえ、その日常を私たちはネットにつなげてすごすことに使いすぎてはいないでしょうか。
静かに降る雪、霧雨、さんさんと輝く太陽…
仕事のない日は外気に触れて、自然の移り変わりを感じられるようなすごし方をしてみてはいかがでしょうか。
幸福とは”自分らしく”生きることです。自分らしさを発揮しながら、人生、そしてこの世界を豊かな感受性でより深く味わうことなのです。
私たちはみな、それぞれ違う個性、パワー、美しさ、知性を持っています。そこに家柄や学歴などは関係してきますか?
幸福とは、自分が社会的にどう見られていようが、それぞれが心の中に密かに持っている「満ち足りた自分」が土台になっているのです。
自分自身になるということは、自分が心底楽しめるものを見つけることです。
「これが私らしい生き方」と自分の生き方を肯定するようになれば、大事にすべきものがはっきりして、ものごとはシンプルに、豊かなものに感じられるようになるでしょう。
とかく私たちは「幸福」を外の世界に追い求めます。でも実は、「幸福」とは自分の内面にほのぼのと感じるもの、つまり、ささやかな喜びが満たす深い充足感の中に見つけるものなのです。
人生においては勝者になること、競争に耐えることがすべてではありません。大切なのは幸せに生きること。
自分とは何か。
本当の幸せとは何か。
幸福になるための生き方とはどういうものなのか。
前向きに考え、人生の本質を見直すヒントをたくさんくれます。
悩んだり、自分を見失いそうな時、立ち止まって読み返したいバイブルとなる気がしています。
最後に
本著の中では、シャルル・ヴァグネルという人の『簡素な生活』から多くの引用が掲載されているのですが、これが素晴らしい内容でした。
なんとこのシャルル・ヴァグネルは19世紀に生きた牧師さんだそうです。
1895年に出版された彼の文章が、2024年を生きる私の心をこんなにも動かすとは。こちらも読んでみようと思います。