アイリッシュウイスキーと生クリームたっぷりのホットコーヒーを合わせたコーヒーカクテル"アイリッシュコーヒー"
コーヒーとお酒を合わせた飲み物「コーヒーカクテル」をご存知でしょうか?
一見は相性の悪そうな両者、ですがコーヒーにブランデーを入れて飲むように、お酒のツンとした味と香りはコーヒーを引き立てるアクセントになります。
ここではそんなコーヒーカクテルの一種「アイリッシュコーヒー」をご紹介。
とても簡単なレシピと、発祥のエピソードをまとめました。
アイリッシュコーヒーとは…
アイリッシュコーヒー(Irish coffee)は、アイリッシュウイスキーとホットコーヒーを合わせ、クリームと砂糖を加えたコーヒーカクテルです。
名前は「アイルランドのコーヒー」という意味です。
ウイスキーのカッ!と来るアルコール分に、クリームと砂糖でまろやかになったコーヒー(ウインナコーヒー)が合わさり、独特の香ばしさと味わい、また身体が内側からぽかぽかと温まります。
見た目は白と黒のコントラストが美しく、現在でも人気のコーヒーカクテルです。
アイリッシュコーヒーのレシピ
アイリッシュコーヒーに必要な材料と作り方を説明します。
手に入りにくいもの、難しい手順などは一切ないので、気軽にチャレンジしてみてください。
『アイリッシュコーヒーの材料』
・コーヒー(深煎り豆推奨) … 120cc
・アイリッシュウイスキー … 20cc~30cc
・砂糖(角砂糖、ブラウンシュガー、ザラメのうちどれか) … 適量
・生クリーム … 適量
お好みでシナモン、チョコ、カラメルソース、ナツメグなど
量は好みによって前後させてください。
適量で一度味わってみるとわかりますが、想像以上にガツンと来る味です。
シナモンやチョコなどはお好みでクリームに乗せて、甘みを加えましょう。
アイリッシュコーヒーの作り方
・温めたグラスに、用意した砂糖(ブラウンシュガー、ザラメでも可)を入れる。
・アイリッシュウイスキーを注ぐ。
・深煎りのホットコーヒーを注ぐ。
・上に生クリームを乗せる。
これでアイリッシュウイスキーの完成です。
手順はとても簡単ですが、いくつかポイントがあります。
『ウイスキー→コーヒーの順で入れる方が冷めないのでOK』
『コーヒーを先に入れる場合はウイスキーをエスプレッソマシンのスチームや湯せんなどで温める必要がある。』
『常温のウイスキーで砂糖は上手く溶けないので、間隔を空けずにホットコーヒーを注ぎ、マドラーでステアする(かき混ぜる)。』
『コーヒーを注ぐ工程は、砂糖とウイスキーを入れたカップにドリッパーを乗せ、ハンドドリップでコーヒーを直接淹れてもOK』
手順は多少変わっても問題はなく、味の決め手となるのは材料です。
上で紹介した材料の量や種類を工夫して、好みのアイリッシュコーヒーを作ってみてください。
アイリッシュウイスキーの種類
コーヒーの銘柄も大事ですが、アイリッシュウイスキーにもいくつか種類があります。
どれも手軽に購入できるので、興味がある方は飲み比べてみましょう。
【ジェムソン(JAMESON)】
アルコール度数:40%
アイルランドの最もスタンダードな銘柄。
世界中で人気があります。
スムーズな喉越しと味わいに、強めの香りが特徴。
【カネマラ(CONNEMARA)】
アルコール度数:40%
ピーティッドタイプ(ピート…香り付けに用いる泥炭)の銘柄。
爽やかな香りと、やや複雑な味わい。
メーカーはストレートかロックを推奨。
アイリッシュコーヒーに用いると個性的な風味になり、好みが分かれます。
【ブッシュミルズ(BUSHMILLS)】
アルコール度数:40%
アイルランドの老舗銘柄。
すっきりとした味わいに、果実のような香りがあります。
ウイスキーをリキュールに変えれば「アイリッシュミストコーヒー」に
コーヒーカクテルの作り方は比較的共通しています。
深煎りコーヒー+たっぷりのクリームと砂糖、そこへ何のお酒(リキュール、ウイスキー)を加えるかだけの違いです。
例えばアイリッシュウイスキーを同じアイルランドのリキュール「アイリッシュミスト」に変えるだけで「アイリッシュミストコーヒー」となります。
アイリッシュミストは、アイリッシュウイスキーを元にハチミツとハーブを配合して作るリキュールです。
アルコール度数は35%とウイスキーよりも優しいので、アルコールがきついと感じたらこちらを試すのも良いでしょう。
アイリッシュコーヒーの歴史
アイリッシュコーヒーは1942年、アイルランドの南西にあるシャノン川沿いの漁村「フォインズ」(Foynes)で考案されたといわれます。
(1930年代から存在していたとの説もあり)
考案したのはフォインズ水上飛行場に勤めていたシェフのジョー(ジョセフ)・シェリダンです。
当時、フォインズ飛行場には、燃料補給のため旅客機が立ち寄っていました。
その際に乗客が寒がるのを見て、ジョーはアイリッシュウイスキーにホットコーヒーを合わせた飲み物を振る舞います。
その飲み物がやがて人から人へ語り継がれ、アイルランド西部のシャノン空港に伝わります。
理由は当時すでに陸上飛行機が主流となり、フォインズ飛行場ではなくシャノン空港が燃料補給地になったためといわれます。
現在のシャノン空港には、当時の記念に開かれた「ジョー・シェリダン・カフェ」があり、本場のアイリッシュコーヒーが提供されています。
アイリッシュコーヒーの口コミはその後、アメリカに伝わり、1952年にサンフランシスコの「ブエナビスタカフェ」でアイリッシュコーヒーの提供が開始。
当時のサンフランシスコ市長であるジョージ・クリストファーもその味を認め、普及に協力したといわれます。
近年では、ハリウッドスターのヒュー・ジャックマンがインスタグラムでアイリッシュコーヒーを飲む写真をたびたびアップしたことでも話題になりました。
アメリカ人にも好まれたことで、アイリッシュコーヒーは現在のようにコーヒーカクテルのスタンダードとなったのです。
まとめ「アイルランド発祥のお洒落なコーヒーカクテル」
アイリッシュコーヒーのレシピと、その歴史を紹介しました。
アイルランド発祥のアイリッシュコーヒーは、伝統のウイスキーにホットコーヒーを合わせ、砂糖を溶かし、クリームを乗せたカクテルです。
アイルランドの厳しい寒さの中で生まれ、アメリカに渡って世界中で愛飲されるまでになりました。
誰でも手軽に作れるので、冬のお供にぜひおすすめです。
今回のサムネはこちらを使わせていただきました。ありがとうございます☕