
「Amazon Go」「Amazon Fresh」の“今”ーー【米国視察篇】
こんにちは。システム部の池田です。
今年私たちは小売店舗視察を目的に、システム部のメンバーと共に米国視察へ行ってきました。今回の記事では、その中でも特に印象的だった「Amazon Go(アマゾンゴー)」と「Amazon Fresh(アマゾンフレッシュ)」についてご紹介します。それらの体験レポートに加え、実際に現地で感じたリアルな所感を、同じシステム部の堀江さんとまとめましたので、ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです!
まずは、レジ不要のコンビニ「Amazon Go」へ
「Amazon Go」は、レジでの支払いを必要としない、革新的なコンビニエンスストアとして2016年末にAmazonがオープンしました。現在は21店舗が展開されていますが、コロナの影響で都心部の店舗が閉鎖され、店舗数が減少しているとのこと。

今回はロサンゼルス郊外に位置する店舗を視察しました。外観は一般的なアメリカの店舗と変わりありませんが、大きな看板が目を引きます。西海岸の青空のもと、店構えがより印象的に映えていました。

シームレスな入店手続き
入口でアプリやクレジットカードを登録するだけで、店内での商品選びがシームレスに行えます。以前はアプリのみ対応だったそうですが、現在はクレジットカードだけでも入店が可能になっています。クレジットカードを登録する際、カメラで顔の画像も紐づけられ、買い物の状況を追跡する仕組みです。

入口では無料の買い物バッグが配布されていました。他の店舗では購入が必要なことが多いため、ここでも顧客への配慮が感じられ、さすがAmazonだと思いました。

レジを通らずに買い物が完了
売り場には、商品棚の下に重量センサーの配線が見えます。
この重量センサーや店内の複数のカメラを駆使したシステムにより、商品を手に取った瞬間から購買情報が記録され、レジを通らずにそのまま店を出られる体験は未来感たっぷりで、技術の進化を肌で感じました。
一方で、「本当にこれで問題なく動作するのか」「正確に請求されるのか」という不安を感じる部分もありました。実際、現地ガイドの方のアプリで表示された購入履歴には、含まれていないはずの商品が記録されており、正確性に課題があると感じました。混雑によってエラーが発生した可能性も考えられます。

また、商品棚にはマルちゃんの焼きそばや日清カップヌードルといった日本の商品が並び、スターバックスのコーヒーや1ドルのアイスなどのセルフサービス商品も揃っていました。これらの商品もすべて正確に購入情報が認識されており、その技術の素晴らしさを感じました。

前述の通り、「Amazon Go」の店舗数は縮小傾向にありますが、Amazonは小さめの都心型ではなく、今回視察したような郊外型の大きい「Amazon Go」に注力しているそうです。
未来型のスーパーマーケット「Amazon Fresh 」
「Amazon Fresh」はDash Cartと呼ばれるスマートカートを導入したスーパー型店舗で、2020年に1号店をオープンして以来、現在も店舗数を拡大しています。
Dash Cartはバーコードスキャナーや重量センサーを備え、商品をカートに入れると自動的に価格が計算される仕組みです。
便利なDash Cart
店内に入り、「Amazon Fresh」の目玉であるDash Cartを実際に使ってみました。アプリ認証で簡単に利用開始できます。
右側の写真に見える光っている部分がバーコードスキャナーで、商品をカートに入れる際にここにかざします。


カートには重量センサーが搭載されており、商品を取り出すと重量が減少し、その商品の詳細が自動で表示されます。この仕組みを見ると、センサーや画像認識などの高度な技術が駆使されていることがよくわかります。
また、店舗の天井には棚に沿ってコードが設置されており、カートのカメラがそれを捉えて、周辺の棚の商品をおすすめする機能もあります。

便利なDash Cartですが、少し重いため、高齢者にとっては押しづらいかもしれません。また、店舗が混雑していないと、有人レジやフルセルフレジが優先され、Dash Cartがあまり使われないことがあると聞きました。このように、最先端の技術が実際の利用ニーズに合わない場合もあるという点は、システム開発の現場でもよく見られる課題であり、改めて考えさせられる部分でした。
オンライン注文で簡単受け取り!Amazon Fresh Pickup
店舗の入り口には、“Amazon Fresh Pickup” サービスの宣伝看板が掲示されていました。このサービスは、事前にオンラインで注文した商品を車でいつでも受け取ることができるもの。Walmartでも同様のサービスが提供されており、時間を節約したい人には非常に便利です。
みやぎ生協でも、類似のサービスが提供されています。一部店舗では「MoreCoop(モアコープ)の宅配ステーション」が展開されており、これは生協の宅配サービスの一つです。注文はOCR用紙、電話、またはネットで行い、商品は自宅ではなく指定の店舗に保管され、利用者が都合の良い時間に受け取る仕組みです。
異なる国でも、利用者のニーズには共通点があることを改めて感じました。ただし、みやぎ生協が提供する宅配ステーションでは指定曜日のみの受け取りが可能で、宅配商品は店内商品と異なる点もあるため、それぞれのサービスには特徴的な違いがあります。

EV充電ステーションとデジタルサイネージの融合
法律により、新設される店舗には充電施設の設置が義務付けられており、駐車場にはデジタルサイネージ機能を備えたEV充電ステーションが設置されていました。このデジタルサイネージが広告も兼ねている点は、いかにもAmazonらしいと感じました。

まとめ
技術革新と顧客ニーズのギャップをどう埋めるか

今回の視察で感じたのは、Amazonが先端技術を駆使して顧客体験を高める努力をしている一方で、必ずしもすべての顧客にフィットしているわけではないという点です。例えば、「Amazon Fresh」に導入されている技術は素晴らしいものですが、土曜の昼時にもかかわらず、店舗に人はあまり入っておらず、顧客ニーズを満たせていないのではと思いました。技術がすごいだけでは十分でなく、実際の顧客ニーズに応えることの重要性を改めて実感した事例となりました。技術とニーズを融合させ、真に価値のあるサービスを作り上げることが、私たちの次のチャレンジです。
余談「現地で特に美味しかったアレ」💡

一緒に行った人の感想も交えると、THEアメリカのステーキ!と言うイメージとは全然違い、移動の疲労感が吹っ飛ぶジューシーさに全員が満面の笑みでした(笑)またサンフランシスコに行くことがあれば絶対に寄りたいお店。

さすが高級スーパー!といった感じで、クロワッサンも今までに味わったことのないサクサク感でした。普段甘いものはあまり食べないのですが、上にかかったチョコレートソースとのバランスも絶妙で、すっかり虜に。
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