第3回THE NEW COOL NOTER賞食育・子育て・おいしいもの部門~9/9講評
第3回THE NEW COOL NOTER賞食育・子育て・おいしいもの部門へご参加いただいている皆様。
9月部門の応募記事については、現時点で23作品集まっております!
募集の締め切りまであと1週間となっています。
どうぞ、ふるってご参加ください!
本日も、3つの応募記事へ審査委員それぞれからの講評を掲載させていただきます。どうぞ、楽しんでいってください。
(本日の講評者)
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<講評(Norikoさん)>
「料理」は日々生活の中で、食材や調味料と人の手と対話から生まれた、生きるべき形で、「食」は生存や文化の方向を示す船の羅針盤 の
Norikoです
k₋maru027さん(以下maruさんと書かせてください)は梅の甘露煮への3回目の挑戦を書かれています。
3回目!
そう、3回も挑戦しようと思う強い気持ちをお持ちです。
それだけで私は凄いと思います。
綺麗な梅の青さを出すには、銅イオンがポイントだと言われますが、残念ながらmaruさん家には銅鍋がない。
IHが主流となりつつ今、銅鍋があるお家が珍しいのかもしれませんね。
ちなみに我が家にもありません。
そこで、maruさんは1週間と言う
面倒くさがりの私からすると卒倒しそうな時間をかけて、3度目の挑戦をスタートされます。
前回使われた10円玉では無くて
今回使用されたのは、漬けもの名人。
これ、実は我が家にもありまして…
あれって全国的に茄子の形なんだなー。
不思議だなー。
茄子以外もあるのかしら…なんて思いながら読みました。
あ、全く関係ありませんね💦
閑話休題💦
そうこうしながらも
maruさんは試行錯誤し
実に8時間以上をかけ、手間暇かけて
無事に3回目の梅の甘露煮を作られたのですが、
料理にも科学が関係しているのでは無いかと
振り返られています。
そういう私自身はバリバリの文系ですが、料理については「何となく」でもやれる場合と、「発酵モノ」や「お菓子」のように「科学」の知識を応用したほうが成功しやすい場合があると思うのです。
maruさんは、ご自身をバリバリの文系と書かれていますが、
このあくなき探究心を持って挑み続ける姿勢、
これは理系女子にも共通する事ではないでしょうか。
逆に私はmaruさんはもうすでに「リケジョ」なのではないかとさえ思いました。
と言うのも、梅の青さを出すために、塩水に晒すという工程が増えたものの、銅イオンの発生量を梅500gに対して、どれくらいの銅を使用したらよいのかを、いろいろな記事を元に分析されているのです。
使った漬けもの名人と10円玉のgを計算されており、「もはやこれは科学だ!」と思いました。
タイトルにも書かれている様に「料理を科学する」
正にこれは一理あるなと思います。
食材と食材を足す、それに調味料を加える。
それは視点を変えれば、研究に匹敵するのではないかと。
maruさんが梅の甘露煮を3回も挑戦された動力、それは”梅の青さへの憧れ”。
どうしても捨てきれなかったと文中でも書かれています。
料理も科学も基本となる気持ちは憧れなんじゃないかなと思いました。
「あんな色を出したい」「あんな味を出したい」「人の命を救うものを作りたい」「苦しむ人の痛みを軽くしたい」
そんな気持ちで人は何回も何回もチャレンジを繰り返し続けるのだなとmaruさんの記事から感じました。
3回目の梅の甘露煮の写真が掲載されていましたが、以前のものよりぐっと青さが際立っています。しかしmaruさんの探究心は疼いています。
なぜなら「今回はこれで良しとします」とあるからです。
これはもしかして来年も…と期待してしまいました。
発酵食品にもご興味が有るmaruさん、
今後の探究心も楽しみです。
ご応募、ありがとうございました😊
森羅万象の居場所を作る【Noriko】が講評しました
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<講評(ゆうのうえんさん)>
「食」はいのち、「料理」は生き方 の
ゆうのうえんです
体が求める味って
幼少期から自分の中に染み込んだ
母の味なのかもしれない。
そう思わせてくれたのが
こちらの作品でした。
寒い朝、
布団から出るのって本当に辛いものです。
木造建築に瓦屋根に一軒家に住んでいた
せやま南天さんの
冬の思い出は
心ぬくもるお母様の粕汁です。
“粕汁。
具材は大根、にんじん、こんにゃく、油揚げやごぼう、
そして大事なのは鮭です。
いい出汁が出ます。
これらを煮込んで、酒粕を溶かし、
最後に青ネギをたっぷり散らします。”
この粕汁が
せやま南天さんにとって
“死ぬ前に食べたい母の味“というほど求める
特別なお料理となります。
大学に入り
部活が夜遅くまでの生活となり、
家族と食事の時間を合わせることが
少なくなっていた頃。
どんなに忙しく
生活が不規則になっていても
何かに夢中になってのめり込んでいるとき、
ちょっとやそっと無理をしても、ましてや
食べることが二の次であっても不思議と元気でいられます。
けれど、
やっぱり体を作っているのは食べ物で。
一生懸命頑張っているときは
心も体も力強くてがっちり固まっていて、
でも
そんなときほど人は脆いということを
せやま南天さんのお母様は
よく分かっていたのだと思います。
メールで「晩御飯はいらない」と連絡していても、
今こそちゃんと食べなきゃいけない、と
子どもの身体のことを一番に思って
出してくれるのが栄養満点で尚且つ優しい
粕汁でした。
家のドアを開けるなり
ふぅっと肩の力が抜ける親しみのある酒粕の香り。
鍋に残った粕汁を指して
「これだけ食べる」と澄ましている娘に、
「えぇ?」と変な顔を大袈裟に作る
お母さまとのやりとりは、
同じく部活に明け暮れる高校時代を過ごした
自分の思春期の光景と重なるようでした。
野菜に魚と、たくさんの具で温まる。
張り巡らせた神経がふっと解れる表情が目に浮かびます。
時を経て
せやま南天さんはご自身も粕汁を作り始めます。
そこで必須の「酒粕」が、
ない。
今でこそ大抵のスーパーにありますが、
そうか、関東でも手に入るようになったのは
発酵食品ブームのおかげなのですね。
せやま南天さんはお店を何軒と巡り
ようやく酒粕を手にしますが、
今度はうまく溶けない。
ご自身で作ってみて初めてわかる
お母様の粕汁作りの手間ひまが見えてきます。
“私は粕汁を食べ、帰ってきたんだと感じ、
弟は、明日からまた頑張るぞと思っているのです“
大きくなっても体が求めるものは変わらない。
粕汁は「母の思惑」だと表現される言葉の裏側に
一心に愛を受けたありがたさと、それゆえの照れくささが
滲んでいました。思惑、私も子どもに料理を差し出すとき
知らず知らずにこめているんだろうな、
疲れたらこの味に戻って元気だしなよ、と。
せやま南天さん、読んでいてとても幸福でした。
素敵な作品をありがとうございました。
地球を居場所にする食のアグリエイター ゆうのうえんでした
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<講評(これでも母さん)>
「食」は命を繋ぐ文化、「料理」は食する為の手法 の
これでも母です
冒頭のお母様の真摯なメッセージが、
優しく胸に響き、心が温かくほっこりしていきます。
望月さんと同じく、私もジーンときました(^^♪
自己肯定感が低いと思われるお母様から、
精一杯の愛情を受けられた望月さんは
「愛されて育った」ときっぱり仰っています。
自分の子供にそう言って貰えることは
何よりも嬉しい子育ての応えだと私は思います。
「平凡で普通すぎるご家庭」と仰いながらも、
それぞれの育児方法も家庭の味も違うだろうという言葉には
大きくうなずきました。
仰る通り、似てるように見える沢山の家庭も、
よく見ると一つ一つ違います。
親御さんの価値観、教育方針、辛い時の乗り越え方、楽しい時の笑い方など
小さい頃から子どもは親をじっと見て、自然に真似て育ちます。
親も子も一人一人違うからこそ、
家庭もひとつひとつ違って当たり前なのだと気付きました。
反抗期に無理やりさせられた食事の手伝いのくだりは、
私にも経験があります。
シチュエーションまでまるっきり同じで、
思わず笑ってしまいそうになりました。
私もやりたいことを邪魔されたり、疲れてるのにって
当時は腹が立ちました。
それでも家事で忙しいお母様のお気持ちを
自然に察することができる望月さんは優しい方で、
お母様の自慢の娘さんだと思います。
お手伝いで自然に磨かれた料理の腕は、
一人暮らしを始めた望月さんを助けてくれます。
得意料理が冷蔵庫の余り物で作る名もなき料理だなんて、
実は難易度も応用力も高い手腕だと思います。
また、子どもの頃に外食にワクワクした理由が
毎日お母様が食事を作ってくれていたからと気付き、
感謝しなければならないことは沢山あると仰ってます。
お母様の忙しい中での食事作りが報われますね!
冒頭のメッセージのお返事のように、
望月さんはお母様への想いを優しく綴られています。
「できれば私みたいな娘がほしい」だなんて、
いつか娘に言って貰えたら私も嬉しいです。
そして最後に語られた凛とした言葉が胸を打ちます。
どうか、答えは望月さんの作品で確認して下さい(^^♪
お母様と望月さんのそれぞれのメッセージが
感慨深く、心を打ちました。
ご応募くださり、ありがとうございました。
家族の居場所を作る これでも母 でした♬
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*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。
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◆食育・子育て・おいしいもの部門募集要項はこちら
◆応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
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