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【延岡】チキン南蛮発祥の店@直ちゃん
はじめに
みなさんこんにちは!
チキンカツって好きですか?
サクサクの衣にジューシーなお肉、豚とはまた違う味わいでしかもお値段もお手頃。
とんかつ屋さんは専門店で営業しているお店ってたくさんありますが、スーパーなどの揚げ物コーナーには単品でよく置かれていますけどチキンカツの専門店となるとそう多くないと私は思っていまして、むしろから揚げとかの方が多いよね。
以前九州を旅行中にチキンカツを専門としたお店が宮崎県の延岡市にあると知ったんです。
この記事では延岡市に降り立った際偶然出会ったチキン南蛮発祥のお店を御紹介します。
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お店の場所
今回伺ったのは「元祖チキン南蛮直ちゃん」です。
JR延岡駅から徒歩数分の所にあり、駅西側の南北に走る大通りから一つ西側の通りにある路面店です。
商店街という雰囲気はなくてんてんとお店がある程度なので見上げてすぐ視認できる大きな看板が目印になっています。
こちらのお店はチキン南蛮の元祖と銘打ってある通りで、宮崎県というと鶏料理で有名で地鶏の炭火焼きや鳥刺しも聞く事が多いですよね。
そんな鶏で有名な宮崎県でも延岡が揚げ鶏がご当地フードになっていたようで、ちょっとソースは忘れてしまいましたがこちらの直ちゃんもどこかしらの洋食店で修行した後独立して看板を掲げたのだとか。
なのでチキン南蛮に明るい方だと直ちゃんと同じく修行して独立した別の店舗もあり、それぞれに拘りや作り方たれの作り方など違いがあるという事を知っているようです。
しかしながら修行していたお店の味をそのまま再現したのが直ちゃんとの事でチキン南蛮のルーツを知る上では外せないお店ですね。
当時は車で西日本を一周しておりせっかく延岡で宿をとったのでご当地フードを楽しもうと思いこちらに決めました。
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外観・内観・お料理
宿に着いてからそぞろ歩きと夕方に街を歩いてみると、駅前はシンプルな造り、駅ビルに併設された図書館みたいな空間(TSUTAYA)が煌びやか~と感心しつつ、アーケードのあるメイン商店街は直ちゃんを通ってまたさらに南下する場所に有り、駅前を中心にして発展している地域でないのが分かりました。
そんな駅と商店街の間にある直ちゃんですが、開店と合わせて向かおうと思いましたがそこまでおなかが空いておらず一旦保留。
時間をずらして再びお店に向かうと満席に近い込み具合、丁度夕飯時という事と図らずも延岡市中心地の山下新天街で行われていた七夕祭りという事もあってさらに込んでいた模様。
丁度入店時はお客さんの入れ替わりで街はほとんどなくささっとカウンターへ通して頂きメニューの確認。
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立てかけられていたメニューが至ってシンプル、三つの定食がメイン処でお勧めのよう。
他にもメニュー表あったかと思いますが撮影していなかったので完全に忘れてしまいました。
チキン南蛮以外のメニューも大変魅力的でしたが、ここはご当地物という事でチキン南蛮定食を注文、オーダー後は店内の様子も観察。
キッチンでは大将がずっと揚げ物を作っている様子で揚げる時間を考えると来客の多くが揚げ物頼むとそら離れられないよね、と感心しつつ待つこと10分ほどでやってきました。
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チキン南蛮定食のお盆にはチキンとごはん、みそ汁小鉢とお漬物とコンパクトにまとまっていて少食な私にはちょうどいいぐらいのボリューム。
カツ系というとふんわり系キャベツの千切りがこんもりと盛られている事が多い方お思いますが、こちらのお店は食べ応え重視かざっくり切られた大きなキャベツも印象的ね。
そして一枚肉をザクザクな衣をまとって鎮座するチキンカツ、ちょっと違和感あるなと思ったらソースが見当たらないんです。
そこが直ちゃんというか延岡のローカルフードチキンカツの所以たるもの、元祖のタレはタルタルソースではなく甘酢ダレを潜らせているんです。
直ちゃんを創業された方の修行先のお店では賄いとして鶏の揚げものに甘酢を掛けてさっと食べたことからチキンカツは始まったのだとか。
上述したように修行先から2つのお店がチキンカツ専門店として独立して歩んでいく過程で、直ちゃんは賄いで食していた味をそのまま再現したルーツを受け継いだ店舗、もう一つの店舗はタレをタルタルソースにして洋食系の味わいにひと工夫した店舗と流派が分かれているんですね~、これは勉強になりました。
という事もあってチキンカツは見た目さっくり上がってソースでもかけるのではと言わんばかりのフォルムですが、なんとそのまま食べると甘酢の酸味が効いた美味しいタレを感じるんです。
バリバリの衣なのにしっかりとタレを吸収しているだなんて見た目では全く分からず、頬張れば衣の歯ごたえの中からタレのシャープな味わい、そこからカツのジューシーなうまみが相まっておいしさが口の中で広がるんですね~。
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お好みでどうぞと一緒に提供されるからしや柚子胡椒は子袋でよく見かける代物、お店の方が挙って勧めているというよりちょっと味わいを買えるならありかもよ、と言わんばかりのスタンス。
なのでその意をくみ取れば初めはやはりそのまま食べたいですよね。
とバリバリの衣にも大変感心したのですが、食通が集う口コミポータルサイトにも私は探訪記としてログを残していまして、この当時の感想を見返してみたのですが、実はこの衣パン粉ではないようです。
色々調べた結果店主のインタビューで衣にはたまごを使用しているのだとか。
お肉に小麦粉を付け揚げ始め、頃合いを見てたまごを天かすを作るように上から散らし、ある程度の大きさになったらお肉に纏わせるようにして包み込むそうです。
これを何重にもしてからませることで大きなパン粉で揚げたような見た目になるんですね。
小麦粉でなくたんぱく質の衣だから液体を潜らせてもしなしなにならずにサックリしているんでしょうね。
そんなバリバリ加減に相性がいいのがむね肉で、こちらのお店ではむね肉を使ってカツにしています。
断面を見てみると身のしまった感じと「ホワイトミート」と呼ばれる所以の白さが良いコントラストになっています。
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もも肉の方が油分が多くておいしいとおっしゃる方も多いかと思いますが、どこぞの旨味を数値化する研究機関ではむね肉の方がお肉のうまみに関する数値はもも肉よりも高いとか。
2018年7月14日の愛媛県松山市から車で移動、八幡浜からフェリーで別府まで行きさらに南下して延岡市まで移動した数100キロの道程で出会えたチキン南蛮はそれはそれは大変おいしいローカルフードでしたね、ごちそうさまでした~。
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おわりに
いかがだったでしょうか。
延岡を代表するローカルフードであるチキン南蛮大変おいしくいただいてきました。
特に揚げ物にありがちなタルタルソースが付いていないのも驚きでしたが、そこにはそれまでに至る歴史に裏付けされた理由がありそれを知った上で食事をするというのも格別な思いに浸れますね。
カツにはタルタルソース、という固定観念を持つ方が多いかもしれませんが延岡に来たなら先ずは甘酢でその元祖を知るのもよさそうです。
またパン粉と思い込んでいたたまごの衣も大変珍しいかと思いますので、興味ある方延岡にお立ち寄りの際は召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました🐾