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中年の危機(拗らせ系)再考
今年10月からのキャリアブレイクの第一目的は、まず「心身の回復を図ること」であった。
当初は、焦燥感で気持ちが落ち着かず不安定な状態だったが、10月半ばくらいから落ち着いてきて、11月からは日々の活動が前向きで、目標を持ったものに変わってきたことは過去の記事でも書いた通りだ。
3ヵ月のキャリアブレイクの期間、僕が行った主な活動は以下の3つだ。
①転職活動(10月下旬~)
②noteへの執筆(11月5日~)
③資格取得の勉強(キャリアカウンセラーの民間資格)(10月下旬~)
上記①は、結果として1月からの就職が決まり目標達成。
②は、これによって自分自身を見つめなおすことができ、心身の回復・自己理解に大いに役立ち、①にも功を奏したと考えている。(何より楽しい!)
③についても、少しずつではあるが進捗をしている。
今日は③から得た学びについて、話題にしてみようと思う。
今日、言いたいことは次のようなことだ。
50歳に近くになって信念とか固定観念、過去の学習の刷り込みに凝り固まり過ぎて「認知の歪み」というものが生じ、それで僕は苦しんでいたんだ。
キャリアカウンセリングの手法の一つに「認知療法」というものがある。
認知療法とは、1960年代に精神科医のアーロン・ベックが提唱した心理療法である。
「人は成長するにつれて固定的なスキーマ(行動特性を定める安定的な記憶セット、物事を認知する上での心の構え方)が形成され、それに基づいて歪んだ思考方法や考えが自然に浮かぶ『自動思考』が起きている。これを『認知の歪み』と言い、それが人間に不快な感情を抱かせる。この歪んだ認知を修正するのが『認知療法』である。」
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僕は、少なくともコロナ禍前までは、自身の仕事においての成功体験・失敗体験を全てひっくるめても、自信を持って働いていた。
ここで言う自信というのは「自分は間違ってない」という強い思いだ。
しかし、コロナ禍によって働き方が大きく変わり、特にオンラインでの会議や、チャットベースのコミュニケーションのスピード感に面喰い、ついて行くことが出来ず…大きく自信を失った。
「これまで築いてきた信念や仕事のやり方が通用しない」…いよいよ本格的にそう思い、セルフイメージはどんどん低下…「仕事の全てが馬鹿馬鹿しく思う」ようになり、当時の職を辞することとなった。
これが今年5月末のことだ。その後の顛末は、過去記事でも書いた通り。
スキーマとは、その人がもつ「~であるべきだ」とか「~でなければならない」と言った信念のことであるが、セルフイメージが低下し「心のゆとり」が無くなると、認知の歪みが心の症状としてひどく表れる。
例えば次のようなものだ。僕の心の症状とともに解説する。
・全か無か思考 : 仕事を失ったら、自分には全く価値が無くなる。
・破局的な見方 : 仕事を失ったら、子どもや家族の将来も台無しだ。
・肯定的側面の否認 : 50歳手前の転職はかなり厳しい。
・自己関連づけ : 無職だからダメな父親であり、社会からの落伍者だ。
僕が中年の危機を拗らせている時期、上記のような認知の歪みのパターンにずいぶんと苦しんでいたが、勉強してみると改めて自分を客観視できて、今後の仕事への取り組み方やスタンスを再構築する上で大いに参考になる。
また僕の場合は…であるが、結果的に勇気を持ってキャリアブレイクを選択して良かったと思っている(というかそれしか選択肢が無かったが…)。
仮に頭では理解していたとしても、「心のゆとり」が無ければ自身の歪んだ認知に気づくことは難しかっただろうから…現在、心身ともに疲弊している人に対しては、「心のゆとり」が実感できるまで心身を休めて頂くのが良い…というのが苦い体験した僕からのメッセージだ。
けれど、もし仮に「どん底まで落ちた~」というところまで行っても「大丈夫だ!」と言うことも付け加えておきたい。
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先日書いた記事「五感で感じる」の中で、歯科医師でいらっしゃる島田豊実先生からコメントを頂戴したので引用させて頂く。
五感がなぜできたのか?と申せば、食べるためなんですね。動物はその種によって五感の働かせ方が違うんです。
新型感染症でテレワークが日常で取り入れられるようになりました。すると皆さん違和感を生じさせたのです。
画面上からは視覚と聴覚しか使えなくなったからです。
さて、一番大事な五感がどこか?と申せば、味なんですね。
そんなことをnoteに書いています。
五感の働きによって、人間の機能が増長されもし、減退もする、、、
人間にとって一番大事な感覚は「味覚」なのだそうだ。
僕はストレスが溜まると食べることに走り太るタチだったのだが、コロナ禍以降の働き方や中年の危機を拗らせている最中は食欲が減退し、どんどんと痩せていった(ダイエットを万年目標にしてたからOKなんだがw…健康的ではない…)。コロナ禍によって、味覚を働かせることさえ奪われてしまったのか…と先生のコメントを読んで思ったところだ。
こんなことも含めて…ちょっとセンチメンタルに考えると(僕は極度のロマンチストなので笑)、僕らにとって「食べる」ということがどれほど重要で幸せなことなのか…と言うことを再認識する。
祖母や親父が言ってた「愛のことば(マンマ食ったか)」の意味の深さ、有難さを改めて胸に留めたところである。
「眠れない」ということに加え、「食べる」ということに楽しみや喜びを感じられない状況…もしそれが続いているとしたら、それも自身のメンタルの低下を推し量るバロメーターかもしれない。
「よく食べ、よく寝て、よく笑う」…毎日を生きる目標って、シンプルにコレなのかもしれないなって思う。
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