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ウォーターサーバー包囲網に対する夫のひと味違う防衛術

ショッピングモールに行くと、結構な確率で、
ウォーターサーバーの営業コーナーに出くわす。

テナントで入ってるわけでなく、日時を限定してウォーターサーバーを実際に置いて紹介をしているコーナーが作られているアレである。

元気なお兄さん達がポケットティッシュを何個も持って、買い物途中の通りかかる人に声をかけようとニコニコ周りを見渡している。

お兄さん達も仕事なのは分かっている。
ただそこを通過してあちらに行きたいだけなのに、このコーナーの前を通ると絶対に声をかけられてしまう。遠回りをしてあちらから行こうか、もはや行くのを諦めるか、迂回ルートがないパターンもある。

ちなみに我が家では

ウォーターサーバーを使っていない。
ウォーターサーバーについては、良いものだとは思う。悪いものではないと思う。
否定する気もさらさらない。
ただ契約する気もない。

頑張って働いてるお兄さん達を否定する気もない。応援している。通りかかる不特定多数の人たちにああやって声をかけるのは簡単なことではない。リスペクトしている。

でもあのぐいぐいくる独特な営業スタイルに対応するのが得意ではない。
ショッピングモールの一角に張り巡らされたウォーターサーバー包囲網である。

個人的対策

対策として、1人でいる時は、
なるべく気配を消して、やや下を見て、早歩きで話しかけづらいオーラを醸し出してそこを通過する。立ち止まったらアウトだ。
母といる時は、2人で同じ雰囲気を醸し出すか、2人で会話に夢中で周りは全く見えていませーんという雰囲気で押し切る。

もしお兄さん達に声をかけられても、
会釈をして精一杯の笑顔で、
結構です〜大丈夫です〜
と言って早歩きで立ち去る。

ニコニコなお兄さんごめんなさい。
ただ私に時間をかけても絶対に契約一件にはならないのよ。私に時間をかけずに次にいってくれ!で、その素晴らしい笑顔とコミュニケーション力で、契約をとってきてくれ!

私の夫はひと味違う

夫もウォーターサーバーに対する考え方と、
ぐいぐいの営業は得意ではないのは同じ。
が、私の夫はひと味違った。

・あえて避けたりはしない。
私のように、いかにそこを通らないかなどは考えず、迂回ルートを考えたりはしない。
通る必要があれば、堂々と通る。

・むしろ自分からアイコンタクトをする。
ニコニコのお兄さん達とちゃんとアイコンタクトをする。礼儀としてちゃんとしているな。

そして必ず声をかけられる。
むしろ自分から声をかけられに行っている。
そりゃ声かけやすいよね。

先方の営業スタイル

いろんな営業スタイルがあるが、
ポケットティッシュをオトリに、
一つ聞いて良いですか?
ウォーターサーバーどんなの使ってます?
的なスタイルが多い気がする。

ティッシュは大歓迎だ。
絶対に使うものなので大変ありがたい。

けれどこれをオトリに、話が進んでいく。
それが先方のやり方だ。
(個人的な分析)

それに対する夫の防衛スタイル

夫はそこで、相手の勢いとリズムに圧倒されず、
自分のペースに持ち込む。

夫「もうウチ、ウォーターサーバー2種類使ってるんすよ〜!」

え!?!?
今何とおっしゃいました!?
大嘘である。しかも2種類だなんて。

そうするとお兄さんは動じず、
どこのメーカーのですか?
と会話のラリーを返してくる。

もうそれを横で見ている私は
内心ヒヤヒヤである。

最初についた何気ない小さな嘘が、
どんどん他の嘘を作り出してきて、
どんどん嘘が広がっていく。
一つ嘘をつくと、
嘘をつき続けないといけなくなるやつ。
(これどこかで学んだやつだな)

もちろんメーカー名など知るはずもない夫は、
何だったかな〜会社でも使ってるんでもう間に合ってるんですよね〜。
というような答え方をしたが、
なぜだろう全然動じていない。
堂々とした受け答えだ。

会社で使っているのもこんなタイプのですか?
とお兄さんも一歩も譲らない。

お兄さん〜ごめんなさい〜夫は嘘をついています〜会社でもおそらく使っていません〜。
横にいる私はどんな顔をしていたらいいのでしょう〜。(早く通過して次のお店に行きたい)

夫「そうっすね、こんな感じのタイプです。いいっすよね〜ウォーターサーバー。」

お兄さんは、売りたいであろうウォーターサーバーを紹介してきた。
もうここは聞くだけ聞こう。それがここまで夫の話に付き合ってくれたお兄さんに対する誠意だ。

そんな数分間を経て、ようやくこのウォーターサーバーコーナーを通過する。

やれやれ。冷や汗かいたぜ〜。
お兄さんにとって無駄な時間でなかったことを祈る。家で2種類のウォーターサーバーを使い分けている家庭があるのだと、そういう事例の一つとして処理してくれ。

もしかしたら、あまりにもウォーターサーバーのヘビーユーザーを装いすぎて、もう話の途中で、これは本当の話じゃないかもしれないと気づいていたかもしれない。それなのに顔色を変えず、会話を続けて営業活動をしていたのなら、
彼はプロである。一枚上手である。

一体何の時間なんだろう

夫のウォーターサーバー話は、
この他にもパターンがあって、
あまり書きすぎるとあれなので割愛する。

基本は相手のペースに持ち込まれず、
自分のペースに持ち込む戦法だ。

詐欺とか悪徳商法でもあるまいし、
もうもはや戦わなくて良いんじゃないの、
と思うが、夫は営業のお兄さん達との会話を楽しんでいる。すごいコミュニケーション力だな。
いや、すごいのか?

(書いてて思ったけれど、明らかに詐欺とか悪徳商法とかしつこい営業に対する防衛術としては、少しは役立つかもしれない。)

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私が前を歩き、少し後ろに夫。
ここにもウォーターサーバーのコーナーがあった。
私は夫が今度はどんな会話をし始めるかと内心ヒヤヒヤで早歩きでそこを通過する。
夫もそのままついてきてコーナーを通過した。

あれ?今日は通過なの?と聞くと、
ウォーターサーバーのお兄さんとアイコンタクトで会話した、と。
笑顔のお兄さんと目が合って、お兄さんがおそらく顔色を伺ってくれて、夫が首を横に振って、営業は必要ないとジェスチャーして、お兄さんが分かりました〜と素直に引いてくれたんだと思う。

私の見ていないところで、言葉を発さず、
アイコンタクトとジェスチャーで話が完結していた。

なんてスマートなんだろう。

夫よ、営業のお兄さん達よ、
これからもぜひそのスタイルで頼む。

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